amori's blog

よろず技術系と趣味関係の雑記です

貴族探偵 「こうもり」

なんか今日貴族探偵の記事へのアクセスが急増してまして、当ブログ一カ月ぶんのアクセスを半日で軽々と凌駕してしまいました。

amori.hatenablog.com
今頃、こんなマイナーブログの少し前の記事にまでたどり着いていただけるとは、皆さん「こうもり」回のインパクトがそれほど強かったんですねえ。
わたしも各クラスタ推しのお陰で原作既読再読でドラマを視聴して、ドラマスタッフの掌の上を転がされる快感を存分に楽しませていただきました。

まあ改めて語るべきことはほとんど残ってないのですが、わたしもその悦楽を伝えるべく、ちょっとだけコメントしたいと思います。

*** 以下、思いっきりドラマの内容と原作の仕掛けに触れますので未視聴未読の方はご注意を ***

映像化不可能と言われた「こうもり」ですので、まずはドラマとして以下に映像のとりっくを用いるか、そして原作のミステリのコアをどのように残すかが最大の注目点であったわけで、
そのため冒頭のカメラワーク、「ちょっと不自然に人の顔が隠れるような、もわーっとした動き」あたりで、もしや本当に映像でトリックを仕掛けるつもりなのか?、と原作組にジャブを放ってくれましたね。
それから全員の集合写真とか、思わせぶりなカットが続きました。

このあたりが、ぐるっと回ってミスディレクションになってるというのは原作組の特権ですw

そして舞台を温泉からキャンプ場に移して場面が分散するところを最小限にし、かつ登場人物およひイベントを最小限にしつつオリジナルのトリックの表面部分を完璧にトレースしてたというのは凄く巧みな脚色だと思いました。
原作のカメラマンを排除し、目撃者の女子大生ペアを愛花と鼻に置き換えてしまったら、もう犯人の選択肢ほとんど残ってないじゃないですか。
しかも愛花の捨て推理が原作の正解をトレースまでさせるとはw

そして、わたしが今回の「こうもり」での最大の脚色ポイントは、
「犯人の当ての純粋推理空間においても、まだトリックが継続していた」というところだと思いました。
というのも、「御前のサルーンは純粋推理空間であり、犯人を指摘するためのフェアな空間、つまり小説では嘘をつかないことになっている地の文に相当する」というのが、このドラマでは積み上げてきた暗黙の了解になっていたと思ってたもんですからヽ(´o`;

いやね、耳を掻く癖には気がついてたんですよ。けど推理空間のお約束の思い込みで混乱してしまいました・・・

作家の妻が偽物と一緒にいた、という原作でも重要なポイントを、謎解きの空間に持ってきてところも原作トリックのコアなアイデアを上手くドラマの約束を逆手にとった構成に置き換えたなあ、と思います。


あと、使用人が替え玉だったというのは少々蛇足にも思えましたが、この辺りは原作未読組にも、「松重さんが立ってれば使用人と思ったのか?誰がそんなこと決めた?」という、暗黙の約束をひっくり返した効果を知ってもらうための演出でしょう。お陰で、ついに「現場中継」というパターンに上手く繋げられたわけで、本当に手が込んでます。

今回のアイデアのあれこれを練ってたスタッフは楽しかったろうなあ。

あと、中村俊介浅見光彦弄りで目立ってませんでしたが、魔性の女の高岡早紀のキャスティングというのもひとつの見どころだったのではないでしょうか。
・・・弄りにくいかw


さあ、あと残り2話。
原作では「貴族探偵」の根本のコンセプトそのものがシリーズ全体の通じて準備された伏線を回収する見事な大オチになってました。
ドラマでは「全てが反転する」というラストが仄めかされていますので、どんな手を繰り出してくれるか楽しみですね。

いまさらですが、ドラマスタッフが仕掛けてくる罠を存分に楽しむために、是非とも原作を読まれることをオススメします(^。^)