正解するカド 第5話 展開が早い(^。^)
前回の感想予想で、「無限エネルギーの次は無限情報処理能力でその展開はもうちょっと先かな」、と書きましたが、
半分あたって半分は予想を超えてきました。
ノヴォの最終的な目的である(とわたしが妄想している)人類の文明を急速に進めて、ノヴォにも未知である真理や原理を得るという展開において、ノヴォ側の知見を人類に伝えるというステップが、無限情報処理能力だと踏んでいたのですが、
ワムの原理を伝えることでその端緒にするというのは予想外でした。
なるほどなー、ノヴォ側からのワムの生産数には限界があり、それが地球側でのエネルギー格差による紛争をもたらすのは文明の発展を阻害するものであり、ノヴォの目的に反するわけですな。
ならば地球側に直接ワムを作らせることを可能にすれば、その生産力は一気に拡散できる。
そこで問題となるのは、ワムの原理を如何にして人間に理解させるか。
品輪博士を電波暗室に入れてワムを観察させたのは、博士の脳細胞を電磁的な影響を与えることでワムの原理のインスピレーションを実体化させ、人間の理解てきる形の情報に翻訳させるためで、品輪博士が適格者というのは、彼女の理解力洞察力がすでに観察分析されていたからでしょう。
次はカドの移設という感じなので、いよいよ人類にカドの原理が伝達されるのかな。
[ちょっと追記]
今回のエピソードがうまいなあと感じたのは、世界全部を的に回して状況をひっくり返すという流れが、総理による空前絶後なw情報の爆弾を炸裂させたことであり、作画上は極めて地味だったところですね。
神のハンマーが振り下ろされる展開はさぞや派手なものになるかと思ってたんですけどね。
ノヴォの行動原理に完全に即してますし、その結果としてジワジワとくるインパクトの凄さは脚本の勝利ですわな(^。^)
次がほんとに待ち遠しい。
これまでの考察はこちら
amori.hatenablog.com
正解するカド 第4話からの展開予想
第4話は、予告で示されたように無尽蔵なエネルギー供給インターフェースであるワムがあたえる国家間の軋轢の発生を描かれていました。もうちょっと話が進んで全面衝突に至るところまでいくかと思ったけどこれは次回以降ですね。
この回でも本作の全体の構図「この世界は実はノヴォが作ったバーチャルワールドであり、そのバーチャルワールド内の文明の発展の結果を収穫することを目的として、この世界にアクセスしてきた」という予想に矛盾するところは全くありませんでした。むしろヤハクィザシュニナが本を介して知識を吸収しているところなどは、この世界の知識体系を人間の認識過程を経て理解しなければならないという、ノヴォがこちらの世界にアクセスする障壁を間接的に表しているようにみえました。
さて、今後の展開を大胆に予想してみましょう。
ヤハクィザシュニナが次に人類に与えるものは無尽蔵な情報処理能力でしょう。もしかしたらこの世界のエミュレーションをしている超計算機へのアクセスインターフェースではなかろうかと思います。
その目的は、人類の文明の進化を可能な限り加速することであり、その結果としてノヴォの知識の地平さえも超える結果を得ることでしょう。
そしてその手段として最もSF的にありそうなのは、ノヴォがつくったバーチャルワールドを人類にも作らせて、そこに新たな文明を発生させてそれを加速させることでノヴォの期待する収穫を人類に委託することです。
つまり、バーチャルワールドの中のバーチャルワールドの中のバーチャルワールドの中の・・・・と再帰的に文明を発生させそれを加速の加速の加速の・・・としていくのです。
このような展開の可能性が高いと思われる理由のひとつは、この話が人類側から描かれているからです。イーガンの「クリスタルの夜」のように、造物主側である人類の視点ならば、文明がどんどん加速度的に進んでいくことを追いかければいいのですが、バーチャルワールド側からの視点では文明がとてつもなく発展するのを待っていると何百年オーダーの年代記になってしまいます。本作品で「そして1万年が過ぎた」などという超展開をやってしまうと、これまでも設定が台無しです。
ですから、できるだけ短い期間内に文明を超越的に発展させるという話の展開が必要で、これをもっともシンプルに実行するのは、バーチャルワールドの再帰的な構築による文明を発展の加速ということになります。
第4話で、くぎゅ・・もとい、品輪彼方(眼鏡っ娘学者)がヤハクィザシュニナに選ばれたのは、バーチャルワールドの構成を伝授させて、ワムによる無尽蔵なエネルギーと無尽蔵な情報処理リソースによって人類にもバーチャルワールドを構築させるということを意図しているのではないでしょうか。
次回第5話の予告で、品輪が何かの真理に気がつくという描写があったのはそのあたりかと。
けどまあ、第5話は日本vs世界の対立に決着をつけさせて人類が文明発展に集中できる筋道をつけるということまででいっぱいいっぱいかな。
最後はどうするのかなー。
人類が作り出したバーチャルワールドに新たなノヴォとして登場するところで終わったりして(^^;)
それよりは、人類vsノヴォの熱い交渉と駆け引きの展開が観たいな。
他の正解するカドに関する記事はこちら
関ジャム 次回はアニソン特集
なんか関ジャム、企画がどんどんディープになってきてますが、バラエティとしてのエンタメ性をきっちり残して幅広い視聴者に楽しめるようにしている演出のバランス感覚が見事ですね。
今週のスタジオミュージシャンへの無茶振り企画やメロトロン解説もすんごい面白かったですわ。(たぶんスタジオではメロトロンのビートルズネタが炸裂してたと思いますがそこはバランスとってカットしたんでしょうな)
で、来週はアニソンですと(^。^)
予告でちらっと映ったのは、ようこそジャパリパークと、涼宮ハルヒの憂鬱「ライブアライブ」でのGod knows演奏の長門有希ギターのとこですな。
「ライブアライブ」はアニメのライブシーンの水準とハードルを一気に引き上げたエピソードですから、ミュージシャン視点での解説あったら嬉しいなあ。
正解するカド 第3話 ・・ドンピシャだったんじゃね(^_^;)?
えー、誓っていいますが、先の第2話視聴後のこの作品の構造予測は本当に第3話観る前に書いたものなんですよ。(MXの方が先行放送されてたと後で知りました)
もうね、この回の全てのワードや展開が完全に予測の範疇にハマるもので、シーンごとにガッツポーズしてしまいましたw
「神様ってことはないよな・・」
(この宇宙の創造主だってば)
「情報を可能な限り齟齬なく伝達する」
(そう、ノブォにとって、この宇宙を理解するには人間の認識と思考という情報の理解が重要なのだ)
「高次元ではなく異方」
(そうだよな。高次元ならば、神の存在は同じ宇宙ということになっまてしまうまのね)
「世界を進展させる」
(これはミスリーディングも含んだうまい言い回し。世界ってノヴォ側の世界のことでもあり、地球側の進歩の情報こそがノヴォが欲しいもののはず)
「進歩」
(ほらほらー。やつの目的はこの宇宙での文明の進歩を超加速させて、ノブォ側でも未知の科学や知見を得ることなんだろーが)
というわけで今回提供されたワム=無限のエネルギー供給源
これ、人類の文明進歩の律速がエネルギー供給の限界と判断しての強制介入なんじゃね? 理論物理を突き詰めていくと国家レベルのリソース投入が必要だし、これはすなわち人類の英知の地平はエネルギーを使える限界にあるということで、ノヴォはこの障壁を取り払って人類をさらに先に進歩させようとしているのであろう。
そしてこれはもちろん人類を導く神の恩寵であるわけがなく、その進歩こそが神の望む収穫なのだわ。
次回予告では、エネルギーの局所的偏在による国家間の争いが発生するようだが、文明の進歩を最優先とする神は当然ハンマーを振り下ろすだろう。
ん、これ宗教的モチーフいっぱい取り入れてきてたりする?
名前もヤハヴェとかそれっぽいよな
次回予告ごとに表示される文字はどっかで解読班が分析中なんだろな。
貴族探偵 第2話 インプレッション
まず謹んで訂正いたします。
第1話への感想
amori.hatenablog.com
の中で
視聴者のミステリへのリテラシをアテにはできなかったのでしょう
と書きましたが、一般視聴者へのケアは最低限にしといて、麻耶ファン・原作ファン、そして相葉ファンのフックをあれやこれやとぶっ混んでたんですね(^_^;
絶賛側クラスタの反応で、これは相当にアングルを楽しめる構成・構造になってることが少しづつわかってまいりました。仮にそれが原作に引き込もうとする撒き餌かフライだったとしても喜んで食いつきさせていただきますw
で、第2話。
原作ファンの快楽の境地にまだまだ届きませんが、ドラマ好きの立場からもかなり興味深い状況になってきつつあることを感じはじめてまいりました。
もちろん、例えば野木亜紀子による超絶的なドラマアレンジという正統的なドラマの楽しみ方ではなく、「普通ならあり得ない製作・制作の結果生まれた狂った(褒め言葉)ドラマ」としての楽しみです。もしかしたらとんでもないもの、2度とみることがないかもしれない類のドラマをみているのかもしれない、という視点からのかなり歪んだ楽しみかたです。
月9枠のドラマでこんなことをやっているということ自体が、じわじわとその狂い加減を感じさせてくれます。
特に今回は、ドラマ化による劣化やワイドショーの低視聴率の自社状況を他局番組実名で自虐的にぶっ込んでくるところは、「他の番組だって大概低視聴率じゃねーか。局全体の低迷を象徴的に月9におっかぶせんじゃねーよ。けっ、どうせスケープゴートにされんなら好きにやらしてもらうからなー」という啖呵を空耳してしまいました。
メイドさんの捜査まとめがワイドショーのボード(というか予算カットで手書きボードが増えてる本家よりちゃんとしてる)にグレードアップしてるところなど、これ番組の構成自体をメタに弄ってくることの象徴ですわな。鼻形のツッコミ芸も、あれ、ドラマあるあるのスクリプターのミスとかへのツッコミのバリエーションですわな。
それを是としているのは、パズルミステリとして極めて真っ当な構成ありきでしょう。
ちゃんとした謎解きというコアを維持しつつ、どこまでドラマという枠を、製作・制作・原作・ファンの垣根を越えて、どこまで破壊できるのか、というのが本当の楽しみどころでしょう。
番組ラストの「ツッコミながら楽しむファンタジー」なんちゃらってのは、視聴者へのエクスキューズでもなんでもなく、開き直りをすることに対する最低限の意思表明なんでしょう。
今後、普通のメディア批評には月9に引導を渡す意向が多ようで酷評がヒートアップしていくでしょうが、バブルの時にすら見られなかった、芯の通った狂ったドラマ製作をクールの最後まで続けさせてあげるべく微量ながら応援させていただきますわ。
原作も読まなくてはw
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
アニメ版が好きだったので初回を観てみた。(原作未読)
原作ファンはどうかわからないけど、少なくともアニメ版のファンには「コレじゃない・・・」が炸裂だろうなあ。
まず初っ端からの主人公の環境の独自設定が作り物過ぎる。
キャスティングの数こなすため?
でもって、重版出来や校閲ガールの成功例を形だけ真似てみたのかな?
原作ってそんなコメディ要素強かったっけ?
主人公のキャラクター設定も、背景説明もあまりにもぞんざいだ。
もうここまで来ると、櫻子さんのお嬢様度が崩壊してるのももはや気にならない・・・
個人的には、舞台を旭川から八王子に変えたことをわざわざメロンのデザートにかけて断ったところが一番がっかりして「そこは原作設定にエクスキューズするんかい」と突っ込んでしまったよ。
もしかしたら後ろのエピソードで旭川が必要だったのかもしらんが。
まあ、原作のミステリとしての要素を切り出して、キャラを立てたコメディとして再構成するという制作意図があるのなら、それはそれでもう少し様子を観てもいいかなと思う。
けど来週のエピソードは、母子家庭の悲劇を描く人によってはかなりキツイ話だぞ。アニメ版は北海道の寒い風景と相まって、それは胸を掻き毟られるようなものだった。それにこのエピソードは櫻子と正太郎の関係をシリアスな意味で一歩進めるものでもある。
かなりコメディ寄りに振った初回からこの第2話に繋ぐのは、シリーズ構成に相当の自信と勝算があるるのか、それともなーんも考えてないのか、とりあえずはここまでは見届けよう・・・
役者さんたちにはなーんの問題もないのに、今の所色々と迷走感とコレじゃない感が強過ぎる。
正解するカド - ファーストコンタクトの現代化
正解するカドの第2話までの感想で、
「実は人類の世界はバーチャルワールド、いわゆる箱庭宇宙であり、その創造主とのファーストコンタクトのお話」
http://amori.hatenablog.com/entry/2017/04/19/224610
と言い切りましたが、これについてちょっと補足します。
既に書いたようにファーストコンタクトというのは古くて新しいテーマでして、
その大枠である「地球外知性体との遭遇」というのは、古くからの異文化との遭遇として積み重ねられたものの延長でした。
そのテーマは、意思疎通の困難だったり、侵略だったりと、まあ大航海時代での異文化の発見や侵略の歴史から敷衍されたものがメインというのは自然です。
しかし相手が地球外知性体という設定を掘り下げていくと、そもそもそのような知性体との遭遇の発生自体にかなり大きな「イフ」の前提が必要になります。
そして、地球文明にコンタクトできるほど圧倒的な文明の差がある状況でのファーストコンタクトは、一方的な蹂躙か、ただの観察か、になってしまいがちで、両者がガッツリ組み会えるファーストコンタクトの設定を構築するのは中々に困難です。
そんなファーストコンタクトものにブレークスルーをもたらしたアイデアとは、これまた古典の「フェデッセンの宇宙」の箱庭宇宙です。
このコンセプトは数多のバリエーションがあり、ドラエモンでも繰り返し使われているネタなのでSF好き以外でも馴染みあるものでしょう。
この、原点であるところの「フェデッセンの宇宙」が凄いのは、われわれが箱庭宇宙を作れるのであれば、もしかすると我々の宇宙も誰かの箱庭宇宙なのでは?、という視点を既に提示していることです。
そしてこのコンセプトを現代化したのが、イーガンの「クリスタルの夜」(プランク・ダイブ 収録)です。
お話の大まかな流れは、
「ウルトラハイパーな計算デバイス使って、超高速で文明シミュレーションしたら、未来テクノロジーを手に入れられるじゃね?」
↓
「・・なんか文明発展してるみたいだけど、何起きてるかわからんなー。よしインタフェースを作ってクロック下げてコミュニケーションしたろ」
↓
「あー、なんかしくじってなんか滅んだぞ。セーブポイントからやり直し」
↓
「なんとかこちらと意思疎通できるやつまれたわ」
↓
「いうこと聞かなかったらバチあてたるー」
↓
「よしよし、そろそろ新しい物理学にたどり着きそうだぞ」
・・・オチは本編でご確認下さい。
以上でわかりますように、箱庭宇宙の中のバーチャル宇宙への介入というのは、介入される側からすると、宇宙の創造主たる神の出現にに他なりません。
しかし、このシチュエーションがこれまでのファーストコンタクトものと大きく異なるところがあり、神の側はその宇宙の物理法則すら操れるオーバーテクノロジーを持っているにも関わらず、必ずしも箱庭宇宙の全てを意のままにることはできないのです。
それどころか「クリスタルの夜」においては、神の側が箱庭宇宙から知識を得ようと苦労するのです。
このような設定は既に現実のものになりつつあり、Googleのalpha Goは自己学習によってプロ棋士でも理解しがたい戦略を編み出しているのはその端緒でしょう。
「正解するカド」が「クリスタルの夜」同様に、この宇宙をバーチャルに作り出した存在(たぶんそれがノヴォ)が、その宇宙内の人間にコンタクトしてきた、というお話と考える理由はいまのところふたつ。
ひとつは「交渉」というキーワード。
超越的な存在が人間に対して相互理解を得て交渉によって何かを得る、という状況をもっともシンプルに設定できるプロットです。
もうひとつは「境界体カド」
これ、まさにノヴォがこちらの世界にコンタクトするインターフェースという意味合いが強いです。
そしてカドに取り込んだ人間たちを外に解放するために一定時間必要という縛りは、シミュレーションのレジュームプロセスの手間を強く連想させますw
カドの出現は、ヴァーチャル宇宙である情報空間への強制割り込みおよび情報の確保であり、カドの内部と外部は不連続な情報処理空間となっているのでしょう。内部強制的に取り込んだ情報体である人間を元の世界にシームレスに復帰させるには、それなりの情報処理リソースが必要であるというのは、ノヴォ側の介入能力の限界の存在が予想されます。
・・・と、2話まで情報で思いっきり妄想を膨らませみました(^_^;)
今後の展開でのポイントは、「交渉」によってノヴォはいったい何を得ようというのか、というところでしょうねえ。
とりあえず「42」という「正解」が出てきたりしないか、第3話が楽しみですw
その他の正解するカドの記事はこちら
amori.hatenablog.com