amori's blog

よろず技術系と趣味関係の雑記です。アニメの比重が高くなってます・・

三角関数とパスカルの三角形

 cos\  n\theta cos\ \thetaのn次多項式で表せます。

参照:高校の美しい数学 チェビシェフ多項式
https://mathtrain.jp/tn

では逆に、 cos^n\ \theta cos\  m\thetaとしてどのように表せるのかというのは、ググってもあんまり出てきないような気がします。

具体的には、

 cos^2\ \theta = ( cos\ 2\theta + 1 )/2
 cos^3\ \theta = ( cos\ 3\theta + 3cos\ \theta)/4

という感じで、なんとなく二項係数っぽい組み合わせなのですが、もうひとつ規則性がはっきりしません。
二項係数といえばパスカルの三角形で、実際その係数が裏にあるのはちょっと変形するとわかります。
 cos(\theta)= cos(-\theta)なので、以下のように表すことができます。

 cos^0\ \theta  = 1 =  cos(0\theta)
 cos^1\ \theta  =  (cos\ \theta + cos(-\theta))/2
 cos^2\ \theta  =  (cos\ 2\theta + 2cos(0\theta)+  cos(-2\theta))/2
 cos^3\ \theta  =  (cos\ 3\theta + 3cos\ \theta + 3cos(-\theta)+  cos(-3\theta))/4
 cos^4\ \theta  =  (cos\ 4\theta + 4cos\ 2\theta + 6cos(0\theta) + 4cos(-2\theta)+  cos(-4\theta))/8

係数がパスカルの三角形、つまり二項係数です
一般化して、
 cos^n\ \theta  = \{\sum_{k=0}^{n} ({}_n C _k \cdot cos\ (n-2k)\theta)\}/2^n
です。

公式の係数が微妙に二項係数に似ているのは係数を折り返してたせいなのですね。

パスカルの三角形となる理由は明確で、三角関数のcos()の和積の関係によります。

 cos^n\ \theta\cdot cos\ \theta  = cos^{(n+1)}\ \theta なので、上記の右辺の各項に cos\ \thetaをかけると、
 cos\ m\theta \cdot cos\ \theta =(cos\  (m+1)\theta + cos\ (m-1)\theta )/2

なので、総和は1ですが、それぞれの係数は二項係数となります。

まあ、これが何の役にたつのかというと、高次の場合にサクサクと計算できるので、例えば信号の非線形要素が高調波にどのように影響するか、という式変換に使えたりしますが、まあ数学的には公式の検算に役立つくらいですかね・・