amori's blog

よろず技術系と趣味関係の雑記です。アニメの比重が高くなってます・・

ドブル (Dobble) の数理(2)

前の記事でDobbleの「任意の二枚で共通のシンボルはひとつのみ」という「ドブル構成」(勝手に命名しました)を導く方法を解説しました。
http://amori.hatenablog.com/entry/2016/10/10/030856
ここで既に一枚のシンボルの数がn個の場合、条件を満たせばカードの数をn×(n-1)+1とできることを示しましたので、ここではそれが最大でありこれ以上はたとえシンボル数の総数を増やしてもカードの最大数を増やせないことを説明します。

まずn=3で考えます。
一枚の3つのシンボルをひとつの三角形の3つの頂点に置き換えます。
するとDobble の条件は、どの三角形も他の全ての三角形と一点でのみ繋がっている状態と同じです。

ここでひとつの三角形(Aとします)に注目します。この三角形のひとつの頂点sに、他の三角形が3つ(B,C,D )繋がっているとします。

次に三角形Aの別の頂点tに繋がっている三角形Eを考えます。

ドブル構成から、EはA,B,C,D全てと繋がります。よってA,B,C,DはEのいずれかの頂点に繋がっているはずですが、そうすると鳩小屋の定理(鳩の巣原理)から三角形Eの三つの頂点のどこかにA,B,C,Dのいずれかふたつ以上が繋がっていることになります。

その2つが例えばBとCだとしましょう。
A,B,C,Dは既に頂点sの一箇所で接続しており、またEの頂点でB,Cが接続にし、この頂点はsではありません。
ということは、BとCは異なる2つの頂点で接続することになります。
これはドブルにおいてふたつのカード(三角形)で共通のシンボル(頂点)がふたつあることになります。
これはドブル構成に反します。

よってひとつの頂点で接続しうる三角形は最大三つということになります。

これはn角形についても同様に一般化でき、n角形がドブル構成で接続しうる最大の個数はn×(n-1)+1となります。

これがドブルにおいてカード数の上限が57枚であることの説明です。

ドブルの数理(3)に続きます。
http://amori.hatenablog.com/entry/2016/10/21/002032

その他のドブル関係の記事はこちら
amori.hatenablog.com