SFオススメリストに一言言っておきたい
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.dokusyo-geek-ki.com/entry/2016/06/02/170336
54億3千万歩譲って、古今の名作SFをリストアップすることは良しとして、その手間の分だけアフィリエイト稼ぐのもいいだろうが、
自分自身の言葉による選択理由と紹介の動機をかけないのだったら、「オススメ」と名乗るのは詐欺だ。
以下はこのリストに限らないが、オススメリストをあげる人へのお願い。
SF作品のリストをまとめる時には、クラッシック・古典を安易にオススメするのは頼むから本当に止めて欲しい。
もちろん、古典SFはもう古びてSFとしての価値はない、という訳ではない、
が、名作SFといえども、それが名作となったのは、作品単体の完成度だけではなく、背景にある科学技術や世界情勢ををわかってこそ味わえるセンスオブワンダーによるものである場合が少なくない。
というか、全くの注釈無しで現代の読み手にあまねく訴求するような古典SFはそうそうあるわけではなく、そこはまずSF読みとしての土台を要求されるのである。
もし、分野の違う本好きの人が安易なオススメリストで紹介された、ハードルが高い古典SFを読んでみて「何これ古いし陳腐だし、やっぱりSFってたいしたことないねー」となったらどうしてくれる。
適切な過程を経て辿りついていたら、SFならではの読書体験を得られてかもしれないのに。そして、せっかくの潜在的なSF読者を失うかもしれない。
別にSFに限ったことではない。
だから、もちろん古典SFをオススメにするには、今の読者にそれを伝える覚悟と責任を持って、そして自分自身の感想感動を踏まえてリストアップしてほしい。
適当な名作リストからタイトルとあらすじを引っ張ってきて並べるだけの「オススメリスト」は作品名を知らしめるだけでなく、それを潜在読者を遠ざける害になりうることを認識してほしい。