amori's blog

よろず技術系と趣味関係の雑記です

n乗和の公式導出(チート編)

数式をこねくり回していて、

「あれ?4乗和の公式ってどんなんだっけ?」

となって、ふと「どうせ5次の多項式になるんだから係数さえ求めりゃいいんじゃね?」と思いついて、
実際試してみたら、正当な導出方法よりもむしろ楽チンなのではないかと思いました。

もーしかしたら受験の時の非常手段にも使えるかもしれないのでまとめておきます。

3乗和まではしっかり刷り込まれてますな(^^)
\displaystyle \sum_{k=1}^n k=\frac{n(n+1)}{2}
\displaystyle \sum_{k=1}^n k^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}
\displaystyle \sum_{k=1}^n k^3=\left(\frac{n(n+1)}{2}\right)^2

試しに2乗和の公式の係数を直接求めみましょう。
まず式を3次の多項式かつ定数項はゼロと決めつけw
 \displaystyle S(n) = an^3 + bn^2 + cn
とします。
 \displaystyle S(1) = a + b + c = 1 \\
S(2) = 2^3 a + 2^2 b + 2c = 1^2 + 2^2 \\
S(3) = 3^3 a + 3^2 b + 3c = 1^2 + 2^2 + 3^2

この1次方程式をとけばいいわけで、行列形式で係数だけを並べてみると、

 \displaystyle \begin{bmatrix}
 1 & 1 & 1 \\
8 & 4 & 2 \\
27 & 9 & 3
\end{bmatrix} 
\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \end{bmatrix} =
\begin{bmatrix} 1 \\ 5 \\14 \end{bmatrix}

数字の並びがシンプルなので上の式を順番に下の式に代入していけば結構簡単に計算できます。
 \displaystyle \begin{bmatrix}
 6 & 2  & 0\\
24 & 6 & 0
\end{bmatrix} 
\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \end{bmatrix} =
\begin{bmatrix} 3 \\11 \end{bmatrix}
からの
 \displaystyle \begin{bmatrix}
6 & 0 & 0
\end{bmatrix} 
\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \end{bmatrix} =
\begin{bmatrix} 2 \end{bmatrix}
 \displaystyle a=\frac{1}{3}
これを2番目の \displaystyle 6a+2b = 3に入れて \displaystyle b=\frac{1}{2}
でもって \displaystyle a+b+c = 1だから \displaystyle c=\frac{1}{6} となり、
 \displaystyle \begin{align} S(n) = \frac{1}{3}n^3 + \frac{1}{2}n^2 + \frac{1}{6}n \\
   =\frac{n(2n^2 + 3n + 1)}{6} \\
   =\frac{n(n+1)(2n + 1)}{6} \end{align}

ちゃんと求まりました。
厳密には数学的帰納法で全てのnについて成り立つことを確認する必要がありますが、まあそれは明らかなので本命の4乗和 \displaystyle \sum_{k=1}^n k^4 について同様に求めてみましょう。

5次の多項式と決めつけて
 \displaystyle S(n) =\sum_{k=1}^n k^4= an^5 + bn^4 + cn^3 + dn^2 + en
から、

 \displaystyle \begin{bmatrix}
 1 & 1 & 1 & 1 & 1  \\
32 & 16 & 8 & 4 & 2 \\
243 & 81 & 27 & 9 & 3 \\
1024 & 256 & 64 & 16 & 4 \\
3125 & 625 & 125 & 25 & 5
\end{bmatrix} 
\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \\ d \\ e \end{bmatrix} =
\begin{bmatrix} 1 \\ 1 + 2^4 \\ 1 + 2^4 + 3^4 \\ 1 + 2^4 + 3^4 + 4^4 \\ 1 + 2^4 + 3^4 + 4^4 +5^4  \end{bmatrix} = 
\begin{bmatrix} 1 \\ 17 \\ 98 \\ 354 \\ 979  \end{bmatrix}

 \displaystyle \begin{bmatrix}
30 & 14 & 6 & 2 & 0 \\
240 & 78 & 24 & 6 & 0 \\
1020 & 252 & 60 & 12 & 0 \\
3120 & 620 & 120 & 20 & 0
\end{bmatrix} 
\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \\ d \\ e \end{bmatrix} =
\begin{bmatrix}  15 \\ 95 \\ 350 \\ 974  \end{bmatrix}

 \displaystyle \begin{bmatrix}
150 & 36 & 6 & 0 & 0 \\
840 & 168 & 24 & 0 & 0 \\
2820 & 480 & 60 & 0 & 0
\end{bmatrix} 
\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \\ d \\ e \end{bmatrix} =
\begin{bmatrix}   50 \\ 260 \\ 824 \end{bmatrix}

 \displaystyle \begin{bmatrix}
240 & 24 & 0 & 0 & 0 \\
1320 & 120 & 0 & 0 & 0
\end{bmatrix} 
\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \\ d \\ e \end{bmatrix} =
\begin{bmatrix}   60 \\ 324  \end{bmatrix}

 \displaystyle \begin{bmatrix}
120 & 0 & 0 & 0 & 0
\end{bmatrix} 
\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \\ d \\ e \end{bmatrix} =
\begin{bmatrix}  24  \end{bmatrix}
これで a=1/5が求まり、順番に逆算すると、
 \displaystyle \begin{bmatrix} a & b & c & d & e \end{bmatrix}  =
\begin{bmatrix}  \frac{1}{5}  & \frac{1}{2} & \frac{1}{3}& 0 & -\frac{1}{30} \end{bmatrix}
となります。よって公式は
\displaystyle  \begin{align}  \sum_{k=1}^n k^4 = \frac{6n^5 + 15n^4 + 10n^3 - n}{30} \\
= \frac{1}{30}n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n -1)  \end{align}

この式が正しいことは数学的帰納法で確かめられます。

試験で使う場合は、例えばこちらのサイト
http://mathtrain.jp/yonjo
で説明されている王道の手法がよいでしょう。

ただ、この方法ではn乗和の公式の求めるのに、(n-1)乗以外の和の公式が必要なので、nが大きくなると計算の手間が急激に増大します。

多項式の係数を直接求める方法はn元1次方程式を解くことに相当し、n次の公式を直接求めることができるので、4次以上の公式については導出の手間はこちらの方が少ないのではないかな、と思います。

検算の一手法もしくは公式ど忘れした時などにご利用ください(^ ^)