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amori's blog

よろず技術系と趣味関係の雑記です

重版出来 はいいぞ

なかなかに評判の高いドラマ「重版出来」。

たまたま初回を観て、なかなかにいい感じだったので、そのまま観続けています。

毎回いい出来で必ず感じ入るところがあります。

そして昨日放映の第6回がこれまた特に素晴らしかったので、勢いで感想を書いてしまいます。

 

※以下内容に触れますので、未視聴のかたはさようなら〜。

 

このドラマ、原作同様、基本的に悪い人は出てこなくて全般にポジティブかつ前向きな感じが実に心地よいのですが、ほぼ唯一のヒールが、敏腕編集者かつ「新人潰し」の異名をもつ安井(安田顕)です。

前回までに、主人公、心が熱心に面倒をみていた新人漫画家を、原作映画化タイアップ企画企画のために横取りし、家族旅行を優先してほとんどうちあわせもせず、タイアップ先からの無茶な要求を漫画家に丸投げして、年末進行中は完全休暇で連絡を絶ち漫画家を放置しいの・・・と、まあ、その描かれ方は、企画をコンスタントに成功させて業績に寄与していることを除けば、徹底的に悪役で熱血漢溢れる主人公と対比されてきました。

そして今回の「安井」当番回ではいよいよ主人公の心と衝突し、そして安井の過去が明かされたわけですが、

何が素晴らしいといって、安井が胸に秘めている想いと決意を最後にまでほとんど語らせなかったんですよね。

もちろん、過去を知るまわりの人たちによる回想シーンによる説明描写はあるんですが、それはあくまで客観的なものであり、決して心情を直接セリフにはしてない。

圧巻は、新人漫画家に「道具にはなりたくない」と決別を告げられた時の安田顕の演技でして、「作家の信頼を失う」という拭いきれない苦い過去の記憶と、「それを決して繰り返すまいと誓って手段を選ばすに雑誌を守る」という意志との葛藤を泣きそうな歪んだ表情だけで十二分に示していたとこですね。

いやあさすが安田顕。女子アナの鼻をかんだティッシュをさりげなく食べてしまうほどの怪優ですなあ。あのオンちゃんがこんなに立派になってしまうとはw

もちろん演出が丁寧なのは安田顕の演技だけではなく、隅々の微妙な心情もさりげなく描かれていて、主人公が安井の振る舞いと意志をある程度認めたことを示すのに、いつも定時で帰る安井にはじめて「お疲れ様」とまだ複雑な感情を滲ませて声をかけることで描いていましたし、漫画家が自家中毒でトイレから出られなくなっているところでも、作業用のタブレットがトイレ内にあることをさりげなく映して、漫画家が追い詰められてはいるが、まだ漫画への情熱は失っていないことを示しており、これが後の「漫画を嫌いになりたくない」という漫画家のセリフにつながっています。

 

思い返すとあちらこちらの描写が実に丁寧であったなあと思いました。

 

強いて言えば、終盤の編集長が安井に「ありがとう、お前が利益を確保してくれているおかげで冒険ができる」と安井への理解と感謝を示すシーンのこのセリフだけは説明のために冗長で、もっと簡潔なセリフと演技・演出でこの思いを描けたとは思いますが、まあこれは家事をしながらドラマを聴いているだけの視聴者向けのサービスでしょうね。これなしでセリフだけ聴いてたら、安井は潰しの安井のまんまですもんねw

 

さあ、来週はムロツヨシ当番回です。初回から出てたからエピソードも厚みが深まることを期待できそうです。

 

※しかし、編集者と漫画家の確執のエグさは、さすが小学館全面協力(違