「ダンケルク」を観るにあたって認識しておくといいかもしれないこと
「ダンケルク」初日に観てきました。
既に色々と評価が上がってますが、映画好きなら是非観ておくべき作品だと思います。
「ダンケルクの奇跡(の撤退作戦)」は日本ではあまり認知されていないので、もし何にも知らないのであれば第二次世界大戦における大まかな位置づけをウィキペディアなとでざっと把握しておくか、既に鑑賞した人にでも聞いておくといいでしょう。
そして、できれば認識しておいて欲しい背景知識がひとつあります。
それは、このダンケルクの話の時代が第一次世界大戦からそれほど時間が経っていないということです。
第一次世界大戦は1914〜1918、そしてこのダンケルクの撤退は1940年のことです。たかだか20年ちょっと。
今現在からですと阪神大震災の頃との時間的隔たりです。
主要な登場人物のひとり、ダンケルクの兵士を救うために自ら戦場に向かう民間船の船長は、従軍経験の有無はさておき、前の大戦を知る年長者です。なので彼の言葉の端々には、単に年長者としての言葉ではなく、戦争に対する深い感情が滲んでいるのです。
わたしは船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)の演技だけでも何度も涙腺をやられました。
他にも、前の大戦の影が残っている時代ということを頭の片隅に置いておくだけで、ちょっとした描写やセリフの持つ力が響いてくることがあると思います。
というのも、
短期間ではありますがイギリスにいたことがあり、その時に、イギリスでは第一次世界大戦と第二次世界大戦というのはひとつの長い長い戦争の歴史であり、特に第一次世界大戦が今もなお国が背負うべき大きな歴史として国民の精神に深く刻まれいるのだなあ、と感じたからです。
教会や街中のいたるところに戦没者慰霊碑やプレートがあり、それはふたつの大戦についてを刻んでいます。
特に、毎年11月にリメンバランス・デーという第一次世界大戦の終戦記念日があり、この時期にはポピーアピールというチャリティー活動が展開されます。日本の赤い羽根と同様にみんなポピーを胸につけています。2014年のポピーアピールでは第一次世界大戦勃発から100年ということで、ロンドン塔に戦没者数の88万本の陶器製ポピーを飾り、ものすごい人が集まったのは日本でも知られていると思います。(来年は終戦の100周年だ)
というわけで、ダンケルクを観るにあたっては、当時のヨーロッパは第一次世界大戦の影がまだ残っていたということをちょっとだけ意識すると、また気がつくことがあること思います。
おまけ:
一緒に観に行ったツレに感想を聞いて観たところ、
「民間船による救援活動の熾烈さ悲惨さの描写が甘い」と一刀両断(°_°)
いや、この映画は俯瞰的な描写はなくて当事者視点がベースのプロットだし、他の民間船での被害はさりげなく映ってたよね・・・と、フォローσ(^_^;)
あれ、なんでダンケルクの話知ってんの?と確認したら、
「刑事フォイルできっちり語られてた」
・・なるほど
NHKさん、新シリーズまでの繋ぎで現在再放送してますが、今こそ初期のエピソードの再再放送の絶好のチャンスですよ。
けものフレンズに乗っかってダーウィンが来た、のサーバルちゃんの回を放送したフレキシブルなNHKさんならきっとやってくれるはず
あ、ダムバスターのもお願いいたしますね(^_^)
追記:刑事フォイルの件の回を観ました↓
amori.hatenablog.com
RIJ FES, 2017 ステップアップ
ご存知のようにRIJ FES.には様々なキャパのステージがあります。
デビュー直後は小さなステージに出て、バンドがメジャーになるに従って段々と大きなステージで演奏していく変遷を知り、グラスステージに至って「ついにここまで来たねー」と感じたり、今年はやっぱりRADが大トリかー、とかはオーディエンス側の下世話で勝手な感慨でアーティストはまあそれは表に出さないよなとか思ってたんですが、最近はアーティスト側でも結構それを口にするんですね(^。^)
the oral cigarettes
「去年はLAKEのオープニングアクトで、でかい口たたいちゃって、"来年はGRASSとまでは言わないけど、LAKEのトリはいかるかなー"って言っちゃって、
今年は岡崎体育に取られちゃいました・・」
これ、関西人らしく面白おかしくウケを取りながら喋ってましたけど、結構マジな思いが滲んでましたわw
まあ岡崎体育もただのトリではなく、B'Zのウラで客層を考えると妥当な当て方だったとは思います。けどやっぱりトリは目指すべきステップなんでしょうねえ
LAMP IN TERREN
こちらはRIJ 4年目で「まだ」Hillsideだということでとても危機感があるという、マジで悲壮なMCをしてました。連続で出ててもバンドの限界や、来年はもう呼ばれないかも、という悩みはあるんでしょうけど、オーディエンスにそれを託されてもなー
日食なつこ
一方こちらは同じくHillsideで「苦節7年、やっとこのステージに立てました〜!」と雄叫び。同じステージでも上昇中と停滞中ではこうも違うのか、と(^_^)
BRADIO
こちらはちょっと違って「今日のLAKEの出演者、うち以外みんな武道館踏んでんだよねー」
あれ、そうだったんだ。楽しいアクトなのになー。まあ、裏のブルエンか次のGRASSのももクロせいか、LAKEのアリーナに空きがあるぐらいだったし、ファンクが受ける客層は限られてんのかな。
もっともツレは「空いてて踊りやすかった」と楽しんでましたが。
キュウソネコカミ (wowow総集編観て追記)
「正直言って、今年Parkは悔しい〜!!」
んー、Park stageは今年はキャパだけで見ればLakeと同じなんだけど、やっぱり格は一段下という意識なのかね
あとキャパという点で、yonigeのHillside、感覚ピエロのBuzzは実質入場規制並みでした。いくら何でも動員の読みが甘すぎだったのでは。他のフェス、去年の動員からしたら素人目にも「え?」と思う割当てだったらしいです。こちらは逆に運営側が、まだこのステージで、とステップを決めてたのかなあ。
特にWANIMAね。
去年のWANIMAはたまたまsuperflyのキャンセルでGRASSにシフトしたのは運営側にも幸運だったと思う。去年の今年も物販の列は尋常じゃなかったですし、今年の入場前の行列は渋谷さんをして「18年やってて7時前にあんなに人並んでんの初めてみたわ」と言わしめたほどてした。
来年は誰が会場を溢れさせてステップアップできるのかなー
特に印象に残ったステージについてはこちらをどうぞ
amori.hatenablog.com
RIJ2017
今さらですがメモがわりということで。
「悪魔に魂を売って天気を買った渋谷陽一」という都市伝説の結界に守られたRock In Japan Fes. 2017の今年も天気に恵まれました。唯一、Day3の開場待ちから開演前まではかなり降ってましたが、開演一時間前には雨はすっかり上がり都市伝説はいまだ健在ですw
今年も楽しかったです〜(^_^)
印象に残ってたステージを思い出すままに。
Silent Siren
昨年、たまたま見かけて聴こえてきた音がなんだかとっても「バンド」として心地よかったので今年はしっかりと聴いてみました。
ああそうだったのか、このバンドはベースがとっても心地いいんだ。
ギターはボーカルメインのサイドプレイで、キーボードはバッキングを主としてどっちかというとオーディンエンスをリードに忙しいw
というわけで、ベースが一番メロディアスで、もうこれはリードベースといっていいくらい。もちろんドラムがしっかりと安定感があるからこそなんだけど、ボーカルとベースラインの絡み合いが実に心地よく、それがしっかりとバンドサウンドを醸してたんだわな。
セットリストはキャッチーかつ可愛めで、放課後ティータイムをリアルにやってる感じだった。去年よりもよかったなあ。
ベリーグッドマン
ウイングが今年からステージになったので様子を見にいった時にちょうど始まってそのまま最後まで聴いてた、というかいっしょに踊ってたw
ベタなノリでありながらハッピーな曲で嫌味なく客席を盛り上げてくのは中々楽しませてくれましたわ。
tacica
すみません、ハイキューのエンディングでしか知らなかったんですけど、その二曲ともお気に入りだったんで聴きに行きました。
いやあ、よかったー(^_^)
ライブのほうが絶対いい。ボーカルとそれに絡みつくようなベースとの掛け合いが本当に気持ちいい。
来年も来て欲しいなあ。
ちょっと別の角度からのインプレッションも書きました。
非公式サッカーW杯ランキング(訂正版)
まずタイトルから誤解されないように断っておきますが、この記事は世界のサッカーチームを綿密なデータや考察によるランク付けするものでは全くなく、
W杯出場決定のお祭り的アトモスファーの勢いで作成した、机上データで勝手にランキングつけるお遊びですので、その辺お間違いなくよろしくお願いいたします(^_^)
さて、「非公式サッカー世界王者」というものをご存知でしょうか。
ja.m.wikipedia.orghttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/非公式サッカー世界王者
一言でいうと、「サッカーにおける仮想的な世界タイトル」というサッカーファンによる遊びでして、1872年の世界初の国際試合の勝者イングランドを初代王者として、以後歴代のAマッチにおける王者との試合で王者のタイトルが防衛・移動するというものです。(詳しくはリンク先を参照ください)
このコンセプトを拡張してランキングをつくれないかな、と安直に考えてみたのがこの「非公式サッカーW杯ランキング」というシステムです。
ここでW杯と限定したのは、もちろん歴代Aマッチの記録を追いかけるのが困難
だからです、はい。
システムの基本コンセプトは以下のとおり。
・W杯本戦の結果のみを対象とする
・ランキングは勝敗によって移動する。引き分けでは移動なし。
・ランクはW本戦で勝利することで獲得する
・一度ランクを獲得した国は、国が消滅する場合を除きランクを維持する(国の分裂・独立については別途詳細定義)
・未ランク国同士のマッチの勝者は、新たに新規のランクが割り当てあてられる(つまり最下位のランク)
・未ランク国がランク国に勝利した場合は、ランクが勝利国に移動し、負けた国は最下位のランクが割り当てられる。
・ランキング移動は、試合開始日時の順に処理する。
・試合日時が同一の試合については同時にランク判定をする。よって同時に2国がランクに割り当てる時は暫定的に同ランクとする。(例:暫定的1位/2位)
・暫定同ランクは、どちらかの国の勝ち/負けによって上位・下位が確定する。(詳細別途)
他にも色々と細かいルール設定が必要ですが、基本は勝ったらランキング変動するという点をおさえておいていただければOKです。
とりあえず第1回ウルグアイ大会から第5回スイス大会までのデータでランキングを作成してみました。
それぞれ、大会終了時点でのランクです。
第1回大会では、最初のグループリーグでアメリカ合衆国が一位となり、決勝トーナメントで、アルゼンチン→ウルグアイ、と第1位が変わりました。
初代W杯優勝のウルグアイはその後本戦に参加せず、防衛することなく1950年まで一位を保持し、このブラジル大会の再参戦においても勝ちをかさね大会終了まで一位を防衛をしました。
次の大会で一位が移動しますが、詳細はいずれまた。
こうやってランキングを並べてみてわかるのは第二次世界大戦の影響です。1942年・1946年の大会は開催されておらず、その前後でオーストリアが一度消滅して復活し、ドイツは西ドイツとなっていたりして、データを並べてみるだけでも色々と興味深いものがあります。
各大会ごとのランキング変動にも色々とドラマがあるのですが、それはまた改めて。
これ以降のランキングは2018年ロシア大会までにぼちぼちとまとめたいと思います(^_^)
日本がランクインするのはまだまだ先・・
※同率順位の判定ルールを見直し、結果が少し変わりました。
追記:2018年ロシア大会直前のランキング集計しました。以下の記事から参照ください。
ウルグアイ大会 | イタリア大会 | フランス大会 | ブラジル大会 | スイス大会 | |
1930 | 1934 | 1938 | 1950 | 1954 | |
1 | ウルグアイ | → | → | ウルグアイ | 西ドイツ |
2 | アメリカ合衆国 | +イタリア | イタリア | ブラジル | +オーストリア |
3 | アルゼンチン | +チェコスロバキア | ブラジル | スウェーデン | → |
4 | ユーゴスラビア | → | → | ユーゴスラビア | ハンガリー |
5 | チリ | → | → | チリ | → |
6 | フランス | +ドイツ | ハンガリー | → | ブラジル |
7 | ルーマニア | +オーストリア | ↑(スペイン) | イタリア | イングランド |
8 | ブラジル | +スペイン | ↑(パラグアイ) | スペイン | → |
9 | パラグアイ | → | スウェーデン | パラグアイ | → |
10 | - | +スウェーデン | フランス | +イングランド | ウルグアイ |
11 | - | 11*アルゼンチン | チェコスロバキア | → | → |
12 | - | 11*フランス | ↓(アルゼンチン) | → | フランス |
13 | - | 11*ルーマニア | ↓(アメリカ合衆国) | → | → |
14 | - | 11*ブラジル | +キューバ | → | スイス |
15 | - | 11*アメリカ合衆国 | スイス | +メキシコ | メキシコ |
16 | - | 16*+スイス | ドイツ | → | ユーゴスラビア |
17 | - | 16*+ハンガリー | ルーマニア | → | → |
18 | - | - | - | アメリカ合衆国 | → |
19 | - | - | - | スイス | イタリア |
20 | - | - | - | - | チェコスロバキア |
21 | - | - | - | - | +トルコ |
→:W杯本戦不参加によりランク継続
+: 新規ランク入り
*:イタリア大会のアルゼンチン・フランス・ルーマニア・ブラジル・アメリカ合衆国は同ランク11-15位
*:イタリア大会のスイス・ハンガリーは同ランク16/17位
「打ち上げ花火(中略)見るか?」・・観た
公開後、何やら「酷評」というワードがバズっていて、ならばこれは自分の目で確かめねばと観てきました。
ちなみに元のドラマ版は観てますが微妙に忘れてもいます。
で、個人的な感想と結論は、
「普通に面白い。「物語」シリーズや「まどマギ」などのシャフトのスタイリッシュな映像が好きな人には文句なしでオススメ」
です。
20年以上前の伝説的作品を現代のトップレベルのアニメ製作陣でどのようにリメークしたのか、という点で多いに興味深いですし、もちろん元作品のことを全く知らなくても楽しめる作品だと思います。
ただ「酷評」が聞こえてくる理由もわからないではありません。
一番の要因はやはり「君の名は。」の反動でしょう。
もし本作が「君の名は。」よりも前に、もしくは「君の名は。」が存在しない世界線で公開されていたならば、議論はあったにせよ少なくとも「酷評」が先行することはなかったでしょう。
しかし実際には本作は、「君の名は。」のメガヒットによって劇的に拡大した観客層の多くに、もしくは声の大きい層に対してその期待に「届かなかった」作品なんだろうな、と思います。
その「届かなかった」最大の理由は、
「彼ら(観客)の物語ではなかった」ということに尽きると思います。
例えば、この作品の時代設定は現代ではあるものの(パンフレットのスタッフインタビューでわかります)携帯電話の描写がありません。これは元作品のテイスト・プロットを踏襲するためにどうしても必要なものではあるのですが、かなり大胆な設定です。現代の中高生にとってはそれだけでもう違う世界の話であり、登場人物達への感情移入にワンクッション入ってしまうでしょう。
また菅田将暉の起用がブレーク前だったのも誤算だったと思います。たぶんオーディションの時には中学生の微妙な時期の男の子を演技にはまっていたのでしょう。しかし菅田将暉のブレークにより、観客側に菅田将暉の特徴的な声に色々な役どころの色がついてしまったと、感じました。これもブレークがなければ彼の起用について物議はすくなかったのではないですかね。
そして、なんといっても本作は作品そのものがストレートに感動を呼び起こす種類のものではありません。観客の心象に響いて思春期の漠然とした不安・切なさ、希望といった想いを呼び起こす類の作品です(個人の感想)
感動を期待した人たちには、この辺りが期待外れだったのでしょうねえ。
なんか駄目出しばっかり書いてしまいましたが、これはあくまで「酷評」への推測でして、わたし個人としては、そのような見方に引っ張られないで普通に楽しめるアニメ映画だという感想を今一度繰り返しておきます。
追記: なんかあんまり酷評が先行するのでせめてもの反論としてこれ書いたら、の週末に同様なレビューが多数上がってた。みんな想いは同じなのね^_^
天使の3P(スリーピース) インプレッション
バンドものラノベという設定に惹かれて原作の第1巻だけ読んだ記憶があって、メモを掘り返してみたら、
「ロリ要素は記号に過ぎず、引きこもり青年が社会に向き合う成長譚、のプロローグ」
とありまして、
そうだった。
結局、引きがあんまり強くなくて続巻には手を出してなかったんでした。
しかし安定した人気は出たようで、その後も巻を重ねてたのですね。
そして、満を持してのアニメ化。
第1話をさっそく観てみました。
「昔読んだ原作の印象そのまんま。というか、むしろ少女たちの記号化が原作以上に甚だしい・・・」
というのが一番の印象かつ感想です。
導入からの主人公の引きこもり具合の描き方はとても自然かつテンションを抑えたもので、それがこのアニメの全体のトーンを示しているんだろうな、と印象づけられたのですが、
後半で登場した少女3人は、もうベッタベタのキャラ設定で、モジモジ/ハキハキ/無表情、おっさん的理解では、みくる/ハルヒ/長門有希、とまあ原作通りと言えばその通りなんですが、フリフリのロリロリとここまでなんのてらいもなくステレオタイプな設定を持ってくるとは、もうこれは「あえて」やってる感が強いです。
すこーしシリアスっぽく始めて、ニートが妖精(少女)たちにお願いされて、って、異世界転生ものですかw
・・と書いて、あ、案外この理解が「あえて」のところにマッチしてるのかな、思い始めました(^^;
引きこもりニートが、天使(少女)に連れられた行った先には、主人公がスーパー能力を発揮できるガジェット(ビンテージ・インストゥルメンツ)という宝の山。そして試行錯誤を経て天使たちを救う・・・うん、完全に異世界転生フォーマットだわ。
なるほど、こう考えてみると、記号感しかなかった少女たちが、フォーマットの力を背景にしてしっかり存在感を得られるかもしれないですね。
もっとも、わたし原作への理解が足りてない故かもしれませんが、アニメ化においてシリーズ構成の骨格を整えての展開とも思えますので、これはちょっと追いかけてみようかなと思います。
それに、音楽にはランティスが入っているので、楽曲や楽器・演奏描写は力入っててそれも楽しみです(^_^)
最初だけってことはないよな・・・