正解するカド 第3話 ・・ドンピシャだったんじゃね(^_^;)?
えー、誓っていいますが、先の第2話視聴後のこの作品の構造予測は本当に第3話観る前に書いたものなんですよ。(MXの方が先行放送されてたと後で知りました)
もうね、この回の全てのワードや展開が完全に予測の範疇にハマるもので、シーンごとにガッツポーズしてしまいましたw
「神様ってことはないよな・・」
(この宇宙の創造主だってば)
「情報を可能な限り齟齬なく伝達する」
(そう、ノブォにとって、この宇宙を理解するには人間の認識と思考という情報の理解が重要なのだ)
「高次元ではなく異方」
(そうだよな。高次元ならば、神の存在は同じ宇宙ということになっまてしまうまのね)
「世界を進展させる」
(これはミスリーディングも含んだうまい言い回し。世界ってノヴォ側の世界のことでもあり、地球側の進歩の情報こそがノヴォが欲しいもののはず)
「進歩」
(ほらほらー。やつの目的はこの宇宙での文明の進歩を超加速させて、ノブォ側でも未知の科学や知見を得ることなんだろーが)
というわけで今回提供されたワム=無限のエネルギー供給源
これ、人類の文明進歩の律速がエネルギー供給の限界と判断しての強制介入なんじゃね? 理論物理を突き詰めていくと国家レベルのリソース投入が必要だし、これはすなわち人類の英知の地平はエネルギーを使える限界にあるということで、ノヴォはこの障壁を取り払って人類をさらに先に進歩させようとしているのであろう。
そしてこれはもちろん人類を導く神の恩寵であるわけがなく、その進歩こそが神の望む収穫なのだわ。
次回予告では、エネルギーの局所的偏在による国家間の争いが発生するようだが、文明の進歩を最優先とする神は当然ハンマーを振り下ろすだろう。
ん、これ宗教的モチーフいっぱい取り入れてきてたりする?
名前もヤハヴェとかそれっぽいよな
次回予告ごとに表示される文字はどっかで解読班が分析中なんだろな。
貴族探偵 第2話 インプレッション
まず謹んで訂正いたします。
第1話への感想
amori.hatenablog.com
の中で
視聴者のミステリへのリテラシをアテにはできなかったのでしょう
と書きましたが、一般視聴者へのケアは最低限にしといて、麻耶ファン・原作ファン、そして相葉ファンのフックをあれやこれやとぶっ混んでたんですね(^_^;
絶賛側クラスタの反応で、これは相当にアングルを楽しめる構成・構造になってることが少しづつわかってまいりました。仮にそれが原作に引き込もうとする撒き餌かフライだったとしても喜んで食いつきさせていただきますw
で、第2話。
原作ファンの快楽の境地にまだまだ届きませんが、ドラマ好きの立場からもかなり興味深い状況になってきつつあることを感じはじめてまいりました。
もちろん、例えば野木亜紀子による超絶的なドラマアレンジという正統的なドラマの楽しみ方ではなく、「普通ならあり得ない製作・制作の結果生まれた狂った(褒め言葉)ドラマ」としての楽しみです。もしかしたらとんでもないもの、2度とみることがないかもしれない類のドラマをみているのかもしれない、という視点からのかなり歪んだ楽しみかたです。
月9枠のドラマでこんなことをやっているということ自体が、じわじわとその狂い加減を感じさせてくれます。
特に今回は、ドラマ化による劣化やワイドショーの低視聴率の自社状況を他局番組実名で自虐的にぶっ込んでくるところは、「他の番組だって大概低視聴率じゃねーか。局全体の低迷を象徴的に月9におっかぶせんじゃねーよ。けっ、どうせスケープゴートにされんなら好きにやらしてもらうからなー」という啖呵を空耳してしまいました。
メイドさんの捜査まとめがワイドショーのボード(というか予算カットで手書きボードが増えてる本家よりちゃんとしてる)にグレードアップしてるところなど、これ番組の構成自体をメタに弄ってくることの象徴ですわな。鼻形のツッコミ芸も、あれ、ドラマあるあるのスクリプターのミスとかへのツッコミのバリエーションですわな。
それを是としているのは、パズルミステリとして極めて真っ当な構成ありきでしょう。
ちゃんとした謎解きというコアを維持しつつ、どこまでドラマという枠を、製作・制作・原作・ファンの垣根を越えて、どこまで破壊できるのか、というのが本当の楽しみどころでしょう。
番組ラストの「ツッコミながら楽しむファンタジー」なんちゃらってのは、視聴者へのエクスキューズでもなんでもなく、開き直りをすることに対する最低限の意思表明なんでしょう。
今後、普通のメディア批評には月9に引導を渡す意向が多ようで酷評がヒートアップしていくでしょうが、バブルの時にすら見られなかった、芯の通った狂ったドラマ製作をクールの最後まで続けさせてあげるべく微量ながら応援させていただきますわ。
原作も読まなくてはw
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
アニメ版が好きだったので初回を観てみた。(原作未読)
原作ファンはどうかわからないけど、少なくともアニメ版のファンには「コレじゃない・・・」が炸裂だろうなあ。
まず初っ端からの主人公の環境の独自設定が作り物過ぎる。
キャスティングの数こなすため?
でもって、重版出来や校閲ガールの成功例を形だけ真似てみたのかな?
原作ってそんなコメディ要素強かったっけ?
主人公のキャラクター設定も、背景説明もあまりにもぞんざいだ。
もうここまで来ると、櫻子さんのお嬢様度が崩壊してるのももはや気にならない・・・
個人的には、舞台を旭川から八王子に変えたことをわざわざメロンのデザートにかけて断ったところが一番がっかりして「そこは原作設定にエクスキューズするんかい」と突っ込んでしまったよ。
もしかしたら後ろのエピソードで旭川が必要だったのかもしらんが。
まあ、原作のミステリとしての要素を切り出して、キャラを立てたコメディとして再構成するという制作意図があるのなら、それはそれでもう少し様子を観てもいいかなと思う。
けど来週のエピソードは、母子家庭の悲劇を描く人によってはかなりキツイ話だぞ。アニメ版は北海道の寒い風景と相まって、それは胸を掻き毟られるようなものだった。それにこのエピソードは櫻子と正太郎の関係をシリアスな意味で一歩進めるものでもある。
かなりコメディ寄りに振った初回からこの第2話に繋ぐのは、シリーズ構成に相当の自信と勝算があるるのか、それともなーんも考えてないのか、とりあえずはここまでは見届けよう・・・
役者さんたちにはなーんの問題もないのに、今の所色々と迷走感とコレじゃない感が強過ぎる。
正解するカド - ファーストコンタクトの現代化
正解するカドの第2話までの感想で、
「実は人類の世界はバーチャルワールド、いわゆる箱庭宇宙であり、その創造主とのファーストコンタクトのお話」
http://amori.hatenablog.com/entry/2017/04/19/224610
と言い切りましたが、これについてちょっと補足します。
既に書いたようにファーストコンタクトというのは古くて新しいテーマでして、
その大枠である「地球外知性体との遭遇」というのは、古くからの異文化との遭遇として積み重ねられたものの延長でした。
そのテーマは、意思疎通の困難だったり、侵略だったりと、まあ大航海時代での異文化の発見や侵略の歴史から敷衍されたものがメインというのは自然です。
しかし相手が地球外知性体という設定を掘り下げていくと、そもそもそのような知性体との遭遇の発生自体にかなり大きな「イフ」の前提が必要になります。
そして、地球文明にコンタクトできるほど圧倒的な文明の差がある状況でのファーストコンタクトは、一方的な蹂躙か、ただの観察か、になってしまいがちで、両者がガッツリ組み会えるファーストコンタクトの設定を構築するのは中々に困難です。
そんなファーストコンタクトものにブレークスルーをもたらしたアイデアとは、これまた古典の「フェデッセンの宇宙」の箱庭宇宙です。
このコンセプトは数多のバリエーションがあり、ドラエモンでも繰り返し使われているネタなのでSF好き以外でも馴染みあるものでしょう。
この、原点であるところの「フェデッセンの宇宙」が凄いのは、われわれが箱庭宇宙を作れるのであれば、もしかすると我々の宇宙も誰かの箱庭宇宙なのでは?、という視点を既に提示していることです。
そしてこのコンセプトを現代化したのが、イーガンの「クリスタルの夜」(プランク・ダイブ 収録)です。
お話の大まかな流れは、
「ウルトラハイパーな計算デバイス使って、超高速で文明シミュレーションしたら、未来テクノロジーを手に入れられるじゃね?」
↓
「・・なんか文明発展してるみたいだけど、何起きてるかわからんなー。よしインタフェースを作ってクロック下げてコミュニケーションしたろ」
↓
「あー、なんかしくじってなんか滅んだぞ。セーブポイントからやり直し」
↓
「なんとかこちらと意思疎通できるやつまれたわ」
↓
「いうこと聞かなかったらバチあてたるー」
↓
「よしよし、そろそろ新しい物理学にたどり着きそうだぞ」
・・・オチは本編でご確認下さい。
以上でわかりますように、箱庭宇宙の中のバーチャル宇宙への介入というのは、介入される側からすると、宇宙の創造主たる神の出現にに他なりません。
しかし、このシチュエーションがこれまでのファーストコンタクトものと大きく異なるところがあり、神の側はその宇宙の物理法則すら操れるオーバーテクノロジーを持っているにも関わらず、必ずしも箱庭宇宙の全てを意のままにることはできないのです。
それどころか「クリスタルの夜」においては、神の側が箱庭宇宙から知識を得ようと苦労するのです。
このような設定は既に現実のものになりつつあり、Googleのalpha Goは自己学習によってプロ棋士でも理解しがたい戦略を編み出しているのはその端緒でしょう。
「正解するカド」が「クリスタルの夜」同様に、この宇宙をバーチャルに作り出した存在(たぶんそれがノヴォ)が、その宇宙内の人間にコンタクトしてきた、というお話と考える理由はいまのところふたつ。
ひとつは「交渉」というキーワード。
超越的な存在が人間に対して相互理解を得て交渉によって何かを得る、という状況をもっともシンプルに設定できるプロットです。
もうひとつは「境界体カド」
これ、まさにノヴォがこちらの世界にコンタクトするインターフェースという意味合いが強いです。
そしてカドに取り込んだ人間たちを外に解放するために一定時間必要という縛りは、シミュレーションのレジュームプロセスの手間を強く連想させますw
カドの出現は、ヴァーチャル宇宙である情報空間への強制割り込みおよび情報の確保であり、カドの内部と外部は不連続な情報処理空間となっているのでしょう。内部強制的に取り込んだ情報体である人間を元の世界にシームレスに復帰させるには、それなりの情報処理リソースが必要であるというのは、ノヴォ側の介入能力の限界の存在が予想されます。
・・・と、2話まで情報で思いっきり妄想を膨らませみました(^_^;)
今後の展開でのポイントは、「交渉」によってノヴォはいったい何を得ようというのか、というところでしょうねえ。
とりあえず「42」という「正解」が出てきたりしないか、第3話が楽しみですw
その他の正解するカドの記事はこちら
amori.hatenablog.com
ツバキ文具店・・多部未華子が素晴らしかった
先週から始まったNHKドラマ10のツバキ文具店
たまたまNHKつけっぱなしにしてて初回をそのまま観てしまいました。
「代書を生業とする祖母の店を、祖母の死と確執とを越えて継ぐことになる」
というのが初回のお話でした。
このシンプルなプロットでおわかりのように、もう安心磐石なNHKならではのヒューマンドラマで、どなたにも安心してオススメできるものです。
でもってですね、なんでわざわざ記事をあげたのかといいますと、兎にも角にも多部未華子が良かったんですよ。
夜のピクニックのころから、あの三白眼で奈良美智っぽく個性の強い女優さんだなあ、と思ってました。デカワンコとか不自然な彼女とかのキャスティングも彼女ならではというものだったかと。
ところがこのドラマでの多部未華子はそのような雰囲気は全くなく、透明感の要求される役を見事に体現していたと感じました。
いやあ、多部未華子に「透明感」などという形容を使うことがあるとはおもわなんだ。
元々、女優としての実力は相当なものですから年齢が彼女に個性に追いついてきたんですかね。
それとも黒眼カラコンかなにかで三白眼の印象を消したのかなw
多分2回目からでも十分に楽しめると思います。
ちょっとでもフックがあったなら是非ご覧を(^^)
賛否が両極端の貴族探偵を観てみた
原作ファンと相葉ファンからは絶賛され、ドラマ好きやメディア系批評では酷評されてる月9の30周年記念の「貴族探偵」。
自分の眼で確かめました。(原作未読・作者の作風も完全に未知)
まず、オープニングの武井咲と井川遥の会話シーンでの、絶え間無くカットが変わり全く固定されないカメラワークが目を引きます。
これ、どこまで引っ張るのかなー。カメラワークとしての文法的狙いは何なんだろ、と思ってたら、部屋を出たらこのようなカメラワークはなりを潜めます。
これなんかの布石だなきっと。
本編の感想は置いといて、
件のカメラワーク、エピローグで復活し、突然また止まります。
ふむ、あのカメラワークは師匠(井川遥)との脳内会話を表現したものだったのね。ということは「師匠の仇」というのはもしかすると比喩的なものではなかったのかも、ということで次回へ。
このヒキは悪くない。
・・・で、本編の印象は、
アンチミステリを月9にジャニーズタレントで押し込むという企画自体で、アンチミステリドラマという脱構築を狙っているという原作ファンの(相当にねじくれた)喝采は、まあなんかわかりました。
で、相葉ファンの喜びというのもなんとなく感じることができました。
というのも、ドラマを一緒に観てたツレが、相葉君の1番の決め台詞のとこで爆笑してたんですよ。
あー、なるほどー。これ、他の嵐のメンバーではそれなりに形になってこうはならんわな。相葉君だからこそ貴族の歯の浮くような台詞をナチュラルにぶち壊してくれるわけだね。そして相葉ファンは、よくぞ相葉君の使い方を見出してくれた、との感謝感謝だったのね。
ただ、このようなアングル無しでドラマを観たならば、コメディミステリとしては酷評の理由ももっともだと思います。
生瀬が演じる鼻形刑事はどうやらドラマのオリジナルキャラのようで、一般の視聴者には、仲間由紀恵の声によるGiriとの組合せで否応なくTRICKを思い出させるこのキャラの存在で、まずコメディミステリという足がかりを得て作品を観ることができるのでしょう。
もし鼻形無しでドラマを展開させるとしたら、アンチミステリという流れを視聴者に理解させるのは相応にハードルが高かったでしょうし、そこまて視聴者のミステリへのリテラシをアテにはできなかったのでしょう。(けもフレはやりました)
正直、ドラマ単体の印象では、相当にフェアな謎解きとコメディミステリのバランスが悪いかな、というものてすが、
原作読んだらもうちょつ印象かわるのかも。
最初に触れたカメラワークのように、これから展開するはずの仕込みはまだありそうなので、今はまだ中途半端おもわれるあれこれも実は伏線なのも知れないなあ、と期待したりもしてます。
今期は楽しみなアニメとドラマがおおすぎる・・・
追記:
第2話でコメディ要素や原作リスペクトの仕掛けを認識しました。
http://amori.hatenablog.com/entry/2017/04/26/005112
原作読むと楽しみ方が深まりますねー
(ひねくれるとも言う)
正解するカド 第2話インプレッション
なるほど、ファーストコンタクトものなのね。
これは古くて新しいテーマだわな。
これまで数多の思考実験がなされてきたテーマであるのに、世相の変化とともに常になにかしら新しい切り口が生まれてくるテーマでもある。
ただまあ、現時点ではそれなりにオーソドックスな展開だ。
相手が人間の形で登場したのは超テクノロジーによる人間の認識理解そして再構成によるインターフェースの構築、ということで、これはもうオーソドックスといってもいいくらい。
最初の接触において全くの摩擦も被害も出さず、むしろ人間側にストレスなくコミュニケーションを可能にしてくれてるというのはかなりイージーモードなファーストコンタクトだろう。
するともう話の焦点は、相手の実体とコンタクトの目的となる。
カドは境界体、これはわかる。
全ての源流であるノヴォ、これはまだわからん。
そしてコンタクトの目的は人類に思考を強いること、そしてそれが唯一の正解?
ならばタイトルの意味はわかった。
カドが正解しているのならば、カドは思考しているのだろう。
つまりはカドもしくは源流のノヴォが実体であり、その目的は人類に思考させること。
人類の思考がコンタクトの目的ということは、(SF的に)一番必然性が高いその目的とは・・・
「フェデッセンの宇宙をその源流とする、創造主の箱庭宇宙への干渉・情報収集」
ということになる。
これ自体、かなりアレンジが繰り返されてきたテーマであるが、もしそうだとして、
さて野崎まどはこれを如何にして現代・現在のテーマとしてくるのかな。
こんな決め打ちをするのは、、もちろん予想の斜め上を行ってくれるほうを強く期待してるからである。
楽しみー(^ ^)
この考察の詳細補足はこちら
http://amori.hatenablog.com/entry/2017/04/25/184634
その他の正解するカドの記事はこちら
amori.hatenablog.com