amori's blog

よろず技術系と趣味関係の雑記です。アニメの比重が高くなってます・・

クローズアップ現代:君の名は。メガヒットの謎・・・

なんでこの時期にこの企画? しかもマーティまでかつぎ出して。

これは紅白でRADWIMPをプッシュするためのテコ入れかな、NHK的な切り口を見せてもらいましょか、と思って観てみたんですが・・・
・・・
・・・
・・・クロ現って、こんな番組だっけ(^_^;)

報道番組の建前もほとんど残ってない宣伝番組の体でしたわ。

最初の導入こそ、RADWIMPのツイートが公開前から盛り上がったという分析から入りましたが、これだって公開前CM展開と、あともしかしたらシン・ゴジラのヒットで予告編に引っ張られたかもしれず、
けど、そんな分析もなくましてや音楽的な分析とヒットの関係分析もなく、
なんのためマーティ呼んだだか・・・・

で、後半で番組の意図は明らかで、
「年配層にも当たっている」
という主張で、これってつまりは興行を更に積み重ねるために、まだ観てない層に「あなたの世代でもうけてますよー。みんな胸キュンしてますよー」という宣伝ですよね。

ワイドショーみたいに、年配層を集めた上映会で反応みたりしてましたが、
胸キュンしたらハートマークあげてくださいって、
あれだけ面白い映画に集中してたらそんな余裕ないでしょヽ(´o`;
案の定、系統的なデータは取れるわけもなく、よくある映画のCMみたいに鑑賞者の感想を並べるという・・・

200億円突破のために代理店があらゆる手を打ってきたってとこなんですかね。

そういえば、12月にパンフレット第二弾を売り出すとか。
興行には貢献できんけどパンフだけは買いに行こっと(^_^)

田中一成さん、ありがとうございました。(ハイキュー!! Season 3 第8話)

ついにこの時が来てしまいました。

 

ハイキュー !! (第3期)烏野高校vs白鳥沢学園高校 第8話。

声優、田中一成さんが、烏養(繁心)コーチに声をあてた最後の回。

 

ハイキューは本当に大好きなシリーズで、歴代アニメの中でマイオールタイムベストの作品、

スポーツものでは間違いなくNo.1です。

 

このアニメの素晴らしさを語るべきポイントは多々あり、声優陣による魅力的なキャラクター達もそのひとつです。

 

それ故、第3期放送開始早々の田中一成さんの訃報は大きなショックでした。

烏養コーチ、いや田中一成さん、白鳥沢との戦いを最後まで見届けてくれないのか・・・ 

 

第1期の最後。ほろ苦い敗北を選手たち受けとめさせ、次に導いていく幕切れは印象的で、烏養コーチの存在・田中一成によるキャラクター造形によって作品の格が完成したと感じたものです。 

 

県大会決勝戦のみに集中した第3期。見事な脚本と演出、そして声優陣が魂を吹き込んだ登場人物たちによって、話を重ねるごとにどんどんと緊迫の度合いを盛り上げてくれています。

1話終わるごとに「よしコーチとここまで来たぞ」と、毎回思っていました。

 

そしてついに第8話、物語の終盤。最終セットにもつれ込んでいた試合で、烏野は最後の1点ところまで追い込まれます。

 

もう極限の疲労の中にある選手たちにの間に漂う重い空気。もうタイムもとれない。

そんな状況で烏養コーチが立ち上がり絶叫します。

 

「下を向くんじゃあああああああねええええええええ!!!!」

「バレーは上を向くスポーツだっ!」 笑顔。

 

また頭を上げる選手たち。そして負傷退場からツッキーが戻ってきた。

ーーーーエンディングへ

 

・・・・・・・これが田中・烏養コーチが遺した最後の言葉なのか(T_T)

もともとそうだったのか、それとも構成を変えてここに持ってきたのかはわかりませんけど、これはスタッフの愛と敬意を感じずには入られません。

 

本当に最後の最後の土壇場のところで選手の頭を上げさせて笑顔とともに去っていくなんて、(いや、去ってないけど)本当に烏養コーチらしいじゃないですか。

 

田中一成、ありがとうございました。

 

(今頃は木星にでも遊びに行ってるのかなあ( ; _ ; ))

 

「この世界の片隅で」一生記憶に残るであろう映画

・・・すごい「映画」を観てしまった。

公開から2週間、既にそうそうたる批評家たちからの絶賛の嵐の中今更ではあるが、やはり語らずにはいられない。

冒頭のシーンこそ、こうの史代の可愛らしい絵柄でほんわか観ていたのだけど、
シーンがいくつか進んだところで、もう映画の世界に魅入らされてしまった。
完全に没入してしまったといっても過言ではない。

物語は、広島から呉に嫁いだ、すず、という女の子を戦前から戦中・終戦あたりまで描いたものである、
と書くと、数多くのドラマや映画、連ドラや終戦記念日特番などで描かれてきた戦中もののひとつかと思われるだろう。

その通りである。

物語の起伏は既存の数々の物語に比べるとむしろ非常になだらかであるかもしれない。

しかしその作り込みが尋常ではなかった。
あとで監督インタビューを読んで知ったことだが、監督はコニー・ウィリスのタイムトラベルもののように、観客を当時にタイムスリップした感覚で物語を感じてもらうべく、徹底的に調査考証をしたそうだ。そしてすずさんを実在した人物として感じて欲しい、と。

そのために注ぎ込まれた監督・スタッフ、そして呉市の後援会の方たちの膨大な努力は狙い通りに、そしてその思惑を超えて結実していると思う。

わたしは上映中たしかにすずさんと同じ世界の空気を感じていた。
そして鑑賞から1週間過ぎた今ではその記憶は、物語のそれではなくそういえばそんなこともあったかなあ、という自身の視点からの記憶に溶け込もうとしている。

きっとこの先この映画の記憶は、本当に記憶 ー 子供の頃ひと時を過ごした引っ越し先や旅先、父母祖父母たちから聞いた戦中の話、そしてみずから体験した震災の非日常 ー とともに、だんだんと区別なく心に留まりつづけるのではないかと感じている。

本当にすごい「映画」だ。

ドブルの数理 (7) 有限射影平面

ドブルの数理シリーズで、麻雀組み合わせ問題、つまりは有限体の性質からドブルの構成を導出する方法を紹介してきました。きっとどこかでもっときっちりした解説があるんだろうなあ、と検索してみたんですが、カード数とシンボル数の考察はあっても具体的な導出過程を解説する記事はみつけられませんでした。

ならば外国のほうではどうかとググってみたら、finite projection geometryというtermがちらほらと。有限射影幾何?
で、この単語から辿っていって有限射影平面というコンセプトにたどり着きました。これ、ドブル構成そのものです。

特に数学セミナーに寄稿された「魔円陣と有限幾何」が非常に参考になりました。(といっても実はまだ消化しきれてませが・・・)

http://math.tsukuba.ac.jp/~akiyama/papers/proc/MagicCircle.pdf

この記事の中にはドブルに関する記載はありませんが、有限射影平面の条件の説明はそのまんまドブル構成の条件に一致します。


1. 二つの点を通る直線はただ一つ存在する。
2. 二つの直線はただ一つの点で交わる。
3. 非自明な四角形が存在する。

3番目の条件は自明なつまらないケースを除外するためのものなので、おいといて、
最初のふたつの条件中の「点」をシンボルに、「直線」をカードに読み替えると完全にドブルの構成です。記事中のファノ平面はドブル構成3そのものです。

この記事がさらに面白いのは、魔円陣の問題、つまりいわゆるビリヤード球の問題のことで、(このブログでもビリヤードリングとして紹介しました)有限射影平面と魔円陣が一対一で対応していることを示しているところです。
amori.hatenablog.com
気がつかなかったなあ・・・( ̄O ̄;)


その他のドブル関係の記事はこちら
amori.hatenablog.com

日立のレンズレスカメラ

https://topiclouds.net/science/2016-hitachi-lensless-camera/

11/15にニュースリリースがあり、はてぶもかなり賑わっていた。
上記の記事は比較的細かい内容に踏み込んでいるが、肝心の、
同心円パターン→モアレ縞→フーリエ変換
のところがやはりモヤっとしている。
解像度についても考察がない。

符号化開口という技術は昔から研究されてきたし、符号化フィルタの同心円パターンだってフレネルゾーンみたいなのがすでにある。計算量を激減させるブレークスルーがどこにあったのだろうか、と思っていたが、同日のテレビ東京ワールドビジネスサテライトで紹介された時の動画にチラッと映った同心円パターンによるモアレをみて謎が解けた。

同心円パターンがずれて重なってできるモアレは等間隔の平行線で、ズレが大きいほど間隔が小さくなっていた。そしてズレの方向に対して平行線は直角になっていた。

これで全て。わかってしまえばシンプルこのうえない。
常に平行線のモアレが出るパターンなんてとっくの昔に考案されていただろうが、それをこの符号化開口撮像の変換に適用するとは、上手いこと考えたなあ。

原理をザクっと説明すると、

1. 被写体の一点の光源は、同心円フィルタの影をセンサーに映す。
2. 点光源が近ければ同心円パターンは大きくなる。また、点光源の向きによって同心円パターンが中心からずれて影を落とす。
3. 被写体のそれぞれの光源は、その向きと距離に対応した、同心円パターンをそれぞれのズレと大きさとしてセンサーに記録する。

ここまでが撮影。以下映像の復元。

4, 被写体までの距離に対応した同心円パターンを記録したデータの中心に加算する。
5, 記録された複数の同心円パターンのうち、4と同じ大きさの同心円パターンとの間に平行縞モアレが発生する。
6, 他の大きさの同心円パターンとの間には平行縞モアレパターンは発生しない。
7. つまりこれが後からピントを合わせる操作

8. 以上の操作で最初の複数の同心円パターンの記録データは、様々な向きと間隔の平行縞パターンに変換された。
9. 平行縞は周波数データなので、逆フーリエ変換によって、
平行縞の向き→元の点光源の向き
平行縞の間隔→元の点光源のズレの向きの大きさ
選択した同心円パターンの大きさ→点光源までの距離
を求めるられる
10, 複数の大きさの同心円パターンについて同じ処理を繰り返すことで、記録された同じデータから複数の焦点距離にピントがあった元データを復元できる。

以上。少なくともコンセプトは単純です。逆フーリエ変化まではアナログ処理で、逆フーリエ変換は高速アルゴリズムが色々と研究されていて、しかも逆フーリエ変換はハードウェア処理による高速化も可能です。

キーとなる等間隔なモアレを発生させる同心円パターンって、見た目フレネルゾーンに見えるんですが、試しに計算してみたら、初等的な幾何でパターンが生成
できることがわかりました。

一番中心の円の半径をr0, 以下
r1.r2,,,rk,rk+1,とすると、
(rk+2)^2 =2× (rk+1)^2 - (rk)^2
という関係になります。
特にr0=0,r1=1とすると、

rk=√k

なんとまあシンプルな(^_^)

追記: 日立の学会発表のタイトルにFresnel zone apertureって書いてありました。フレネル ゾーンの一種でしたか。

この方式の解像度は、平行縞の間隔の違いの分離可能な範囲になります。これは上の式から定まる同心円パターンから生成される平行縞パターンの分解能であり、つまりセンサーのピクセル数とサンプリング定理で上限となる平行縞の最大周波数ということになります。

この推定は、大元の学会発表の情報を待ちましょうか(^_^;)

追記2(2019.3.1)
同時期の日経の記事に詳細が解説されてました。
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/00140/00022/
原理は推測どおり。画質はやはり限定的でしたね。
他の開口符号方式との比較もありますので参考になります。

逃げ恥 原作越え(断言)

なんでもこないだの第六話、ラストシーンで2chのサーバー一瞬落ちたそうで(^_^;)

あのインパクトをどこかにぶちまけたい衝動はとてまよくわかる、けど、もっと画面に集中せえや、おまえらw

いや、かく言うわたしも、ラストシーンで「おおっ(≧∇≦)」となりましたが、
・・・原作既読なのに(^_^;)

ラストカットこそ、ヒラマサ君のぎこちなさまで完璧に原作そのまんまなんですが、そこまでの過程は原作ではもっと淡々としてるんですよね。

ゆうても、たかがキスシーンじゃないですか。今時なんでここまで盛り上がるのかと(^_^;)

やっぱ脚本の力なんでしょうねえ。

キスシーンにあれほどインパクトがあったのは、そこに至るまでに旅館でのドタバタのコミカルなシーンでヒラマサのどう・・、もとい、独身のプロっぷりと、切なさに追い込まれるみくりの心情描写の振り幅で、視聴者にがっつりと感情移入させることに成功したからだなあ、
と、視聴直後に感じたのですが、ちょっと間をおいて振り返ってみると、脚本での構成力はそれだけじゃなかったことに気がつきました。

なんでたかだかキスシーンが視聴者の予想をあれほど大きく凌駕するインパクトを持つことになったのか。
一番の直接仕掛けは第5話のエピソードですね。
ゆりちゃんにハグシーンを見せるためのドタバタのエピソードはそれ自体にも、やっさんの離婚やヒラマサ両親の思い出から知る夫婦のエピソードなどをうまく絡めた巧みな構成で、最後の予定調和の自然なハグに頭ぽんぽんですっかりほっこりさせられたわけでしたが、
これの刷り込みこそが、今回は視聴者に「ヒラマサー?そこは手を握るとこだよな。な?」と展開予想を強く誘導したのでしょう。

つまり、それはそれで完成度の高かった第5話は第6話のための強力なセットアップにもなってたわけで、そのシリーズ構成の巧みさは、もう原作を超えてきてますね。

そう思ってみると、ちょっとしたアクセントにみえる色々なパロディシーンもシリーズ構成における周到な仕掛けになってるのでしょうね。

しんじ→かおる、のエバネタの連続ももみくりのトラウマ+現実への干渉という、今回のエピソードへの布石とも思えます。

まだまだこの先に色々と展開が控えてますから、脚本と演出の妙が楽しみです(^_^)

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その他、逃げ恥・ドラマ関係の記事はこちら

amori.hatenablog.com