amori's blog

よろず技術系と趣味関係の雑記です。アニメの比重が高くなってます・・

今、巷で話題のNHK「終わらない人 宮崎駿」を観た

ドワンゴ川上のAI生成のクリーチャーCGに宮崎駿激怒、というひとコマに対して、ネット上で宮崎・川上それぞれに避難と擁護が交錯していますけど、それぞれが主張するほどには、川上のプレゼンが下手でも不快でも、宮崎の発言が激怒というほど感情的であったとも思いませんでした。(むしろ丸くなったなあ、とすら思いましたよ)

なんかこのプチ炎上のおかけで、この番組の制作者がドキュメントにを通して視聴者に伝えたかったであろう制作意図が吹き飛んでしまっているようでちょっと残念です。

この番組の最後は宮崎が長編の企画をまた立ち上げている、というところで終わっています。そこに至るクライマックスは「なぜ引退宣言をひっくり返ししたのか」というその瞬間でしょう。

例のシーンの最後のところがまさにそれで、
鈴木Pがドワンゴ側に対してAIの研究が(たぶん助け舟として)「どこにむかっているのか」とたずねたことに対する「機械が絵を描けるようになること」という(苦し紛れかもしれない)回答を聞いた宮崎の表情のアップでしょう。

あのカットはあからさまに「ここが宮崎が決断したトリガーだ」という演出でした。

番組の冒頭からの流れは、

引退後の手慰みの短編映画作成の日々

CGクリエーターとの出会い

CG導入の決意

CG適用の苦闘

ついに演出の突破口を見つける

という流れ中で、手書きにこだわる宮崎とCGに席巻されてしまったアニメとの対比が語られていました。

そして「もう老い先短いのだから無責任に長編を始めて人を巻き込むことはできない」と語っていたのは、まだおさまらない自己の創作欲求を自分で抑え込みなんとか納得させているように見えました。

しかし「今の時代に渇望されている作品があるはずだ」とつぶやき、「機械が絵を描くことを語る」若者を見て、若い世代が自信を失っているのではないかと考え、そして宮崎アニメを支えていた戦友ともいうべきスタッフに先立たれました。

番組の意図は「宮崎はまだ、たとえ路半ばで力尽きても自らが描くことで伝えねばならないことがある、と決意した」ということでしょう。

もちろん、ドキュメンタリーとは監督の意図によって再構成された物ですから、それは宮崎の本当の意図ではない可能性もあります。

しかし稀代のクリエーターに密着したからこそ撮れた一連の記録は、もし長編企画が世に出たならば、その作品を読み解くための重要な背景になるでしょう。

プチ炎上でその辺りが語られてないのはちょっと残念です。

ドラマ「スニッファー」 のカメラワーク

NHKのドラマ「スニッファー」
阿部寛香川照之というアクの強い俳優のバディものという興味に加え、超人的な嗅覚による捜査モノという設定がどのよう描かれるのか興味があって観ています。

超人的な嗅覚というネタのサスペンスはたぶん井上夢人「オルファクトグラム」が先駆的で、未だにこれを凌駕してる作品はないのではないかな、と思ってます。(wowowでドラマ化もされてたはず)

さて、連続ドラマとしてどんな風に仕掛けてくるかなと観てみた初回。
冒頭から絵造りが独特です。

暗めなトーンの色調設計、フィルムっぽい画質、細かいカットわり、手持ちカメラによるユラユラとしたカメラワーク、立体的な字幕挿入、犯行現場の嗅覚イメージにCGイメージ・・

お、なんか海外ドラマっぽいぞ、という感じ。特に冒頭の手持ちゆらゆらなカメラワークはそのスピード感と不安定さで、阿部寛演ずる超嗅覚を持つエキセントリックな捜査コンサルタントのキャラと周りの人間達との温度差を描くうまいつかみの演出でした。
その後のシーンも同様なカメラワークを使っていたので、これはカメラワークに意味づけをしてるんだな、と思いました。

というのも、予知夢の能力者が捜査コンサルタントとして活躍する「ミディアム」というこのドラマの設定によく似た海外ドラマがありまして、この作品では手持ちゆらゆらのカメラワークが映像文法として徹底的してたのです。
基本的に全ての通常シーンは手持ちカメラで、常に微妙にゆらゆらしてます。それほど極端に、例えばブレアウィッチプロジェクトやクローバーフィールドみたいに揺れてるわけでなく、ドキュメント映像っぽい程度です。
ドラマ中できっちりと固定カメラでの映像になるのは主人公が観る予知夢のシーンであり、これは徹底しています。
明らかに夢と分かるシーンもあれば、途中まで現実のシーンと区別がつかなくて、最後にガバッと飛び起きて「夢だったんだ・・」とわかるシーンだったりもします。
この、手持ちと固定の絵の違いというのはカメラワークを意識していなくてもなんとなく無意識に感じられているようで、「ああ夢たったんのか」という目が覚めて現実に戻ってきたという感覚をシーンの変わり目で感じることができます。

話はスニッファーに戻ります。
冒頭の色々な演出から、このカメラワークもなんか文法あるんだろうなあ、と思って注意してたら、井川遥の女医さんとのシーンでは手持ちではなくなりました。完全な固定ではくほんのわずかにドリー(パン)やズームを入れて、他の手持ちシーンとの整合と差異を入れているようです。
なるほど、このドラマでのカメラワークは人物の感情や精神状態とリンクさせてるのだな。このカメラワークの文法を繰り返しいくうちに、視聴者は無意識にカメラワークからシーンにおける演者の感情を共感できるようになるわけか。

主人公の研究テーマは「感情は匂いとして伝わる」です。ならばドラマの演出として、無意識下に情報を伝えるカメラワークによる感情の表現というはありかもかれない。

・・・と、仮説を立てて観てたんですが、なーんか演出に一貫性がないような。カメラワークにも特に文法は設定されてないみたい。

シーン毎に今風の演出を入れて海外ドラマっぽくしてただけなのかな・・・

あ、ドラマ自体は普通に面白いですよ(^_^)
ただ超嗅覚という設定の活かし方がわりと普通なのが物足りないです。

(ドラマのクレジットでbased onなんちゃらって出てるのは、このドラマがウクライナのテレビドラマを翻案してるからだったのですね。海外ドラマっぽい雰囲気は元のドラマに影響受けてるのかな)

逃げ恥 期待以上の展開 *\(^o^)/*

なんかドラマの放送が終わると、「野木 脚本」「野木亜紀子」といったキーワードで検索して
「逃げるは恥だが役に立つ」野木亜紀子脚本でドラマ化 - amori's blog
の記事にいらっしゃる方が段々と増えてきてます。やはり脚本が注目されてるようですねえ。大変喜ばしいです。

感想を書こう書こうと思いつつなかなか書けないうちに放送はもう折り返しのあたりまで来てしまいました。
感想が古くならないうちに少しでも書いてしまわねば。

前に書いたように期待は膨らみまくりでしたが、
出来はその期待以上のだなあ、というのが今のところの感想です(^_^)

脚本の野木亜紀子は、小説やコミックの原作を徹底的に咀嚼したうえで、原作の本質を損なうことなく映画やテレビという表現が全くことなる映像のものがたりとして再構成するのが本当に上手い。
その手腕は今回さらに際立っているとおもいます。

第1話の最初の印象は「意外にストレートに原作をなぞったなー」というものだったのですが、改めて原作をチェックしてみて驚きました。
確かに話を構成しているエピソードはほぼ原作の通りだったのですが、一話全体の流れはかなり再構成したものだったのですね。あんまり自然すぎて、むしろ読み直した原作の方がネタの流れのほうが、とっ散らかった印象すら感じたぐらいで(まあ、これが原作の味わいなんですがw)

実を言えば、ガッキー以外のキャスティングが発表になったときには、「あー.これは例によってキャスティングありきのドラマになってしまったかあ・・」と、ガッキーのキャスティングに狂喜していた反動で、かなり不安になっていたのです。

星野源。高学歴で魔法使い寸前の設定とは、ちょーっと違うんでないかなあと思わないでもないんですど、まあコウノトリで見せていたクールなキャラにちょっと寄せていけば、まあ大丈夫だろう。

問題は石田ゆり子
彼女が演じるユリちゃんは、全体ストーリーにおいてみくりの次に、場合によってはみくり以上に重要な存在で、それはたぶん津崎よりも上回ります。
なんたって、ゆりちゃんの設定は、バリバリのキャリアをとって(原作では)処女のまま閉経を迎えたっていうもんですよ。

石田ゆり子にそのキャラを重ねるのはかなり難しい。キャリア感はさておき、高齢処女というのはねえ・・なんか、ねえ、あれですよ、抱擁力ありそうじゃないですか(言葉を選んでいます(^_^;))
うちのツレは「吉田羊あたりならしっくり来るんだけどなー」とかなり否定的で、わたしもドラマ製作でキャスティングが優先されたのかなあ、と思ってました。

で、放送が始まってみて、このゆりちゃんの設定は原作の本質を踏まえつつドラマとしての構成のために大胆に手を入れてきたのだな、という印象に変わりました。
設定年齢は49歳。原作よりも5-6歳若くしてギリギリアラフィフ40代に抑えてきました。そのため、みくりの母の姉という設定が少し厳しくなってしまいましたが、そうしてまで年齢をいじって来たのは、物語後半でゆりちゃんが受け持つことになる恋愛パートを、テレビドラマとして視聴者の幅広い層にガッツリ感情移入させて描くためであろうと想像してます。
コミカルなのかシリアスなのかは予断を許しませんが、この辺は原作を超えて来るんではないかなーととっても期待きてます。
石田ゆり子が可愛いなあ。アラフィフでも全然オッケーだわ(まんまと術中に嵌められます)

いや、もちろんこのドラマはガッキー目当てできて、それは今もかわらないのですが、
多分今後は、みくりのほうのエピソードはお仕事の方に舵を切るのはほぼ固いです。ガッキーの可愛いとこの見所がコスプレなんかに偏るのはちょっともったいないので、このあたりも脚本の妙に期待です。



あとオマケ。
第一話で沼田さんの前にレインボーカラーの缶を置いていたのは、ゲイ、LGBTのシンボル。この時点でさりげなくキャラ設定をほのめかしてるんですね。

http://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/report/d20160930.html

この缶は確か第3話あたりでも沼田さんが持ってました。
ーーー
野木亜希子さん関係の他の記事はこちら
amori.hatenablog.com
amori.hatenablog.com

ドラマ全般はこちら
ドラマ カテゴリーの記事一覧 - amori's blog

ドブルの数理(6) (訂正)検証・・驚きの結論

2017.12.3 追記
昨日、ドブル関係の記事を引用ツイートしていただいてアクセスが増えた結果、この記事の「予想に反して6つしかないシンボルがなかった?」という結論と異なり、雪だるまが6つしかなかった、というツイートされているのに気がつきました。
カウント結果を確認しようと思ったら元データが見つかりません・・・また、この件を検索してみたら海外サイトでsnowmanが少ない、という指摘があるのを見つけました。
よって、この記事の結論はわたしのカウントミスの可能性が高いと思われますので、以下の記事の結論は取り下げます。

〜〜〜


前回までで示したように、ドブルのカードに全57シンボルをどのようにそれぞれのカードに最適に割り当てれば理論的に最大57枚まで構成可能です。

ドブルの数理(5) ドブル構成の仕上げ
http://amori.hatenablog.com/entry/2016/10/23/182058

実際のドブルではシンボル57に対してカード数は55枚と、理論最大値に対して2枚足りません。おそらくはゲーム性に影響ない範囲でカード印刷の制約か何かで2枚減らしたんだろうと想像し、抜かれた2枚はなんであったのか確認してみることにしました。

先に求めたドブル構成は全てのシンボルが均等に8個が割り当てられています。
ここから2枚引く場合、その2枚の間でも共通するシンボルがひとつあるので、そのシンボルは2個減り、他の15のシンボルについてはひとつづつ減っているはずです。

で、実際のカードとシンボルの関係をリストアップして導出済みのドブル構成のパターンと比べれば減らされた2枚がわかるはずです。

調べてみました。
結果はなんと7個に減ったシンボルが16種類で6個に減ったものは無し。

これはつまり、ドブルの55枚は理論最大値の57枚から2枚を抜いた訳ではなかったのです・・・・・

逆にどうやって55枚までみつけたんだろう・・・試行錯誤で求めたんだとしたら逆に凄いわ(・・;)


ホビージャパンさん、日本版特別エディションでシンボルの組み合わせをちょっと変更して2枚増量の特別版出しませんか?
世界中で人気なゲームですからコレクターズアイテムになるかとですよ(^_^;)


ドブル関係もひとつ続きます。
amori.hatenablog.com

その他のドブル関係の記事はこちら
amori.hatenablog.com

ドブルの数理(5) ドブル構成の仕上げ

7×7総当たり組み合わせができたので、あとは各組に1人づつ計8人を足して、その8人でもう一組作って計57組の完成です。追加の8人を分かりやすくA〜Hとしましょう。

A B C D E F G H
A 0 1 2 3 4 5 6
A 7 8 9 10 11 12 13
A 14 15 16 17 18 19 20
A 21 22 23 24 25 26 27
A 28 29 30 31 32 33 34
A 35 36 37 38 39 40 41
A 42 43 44 45 46 47 48
B 0 7 14 21 28 35 42
B 1 8 15 22 29 36 43
B 2 9 16 23 30 37 44
B 3 10 17 24 31 38 45
B 4 11 18 25 32 39 46
B 5 12 19 26 33 40 47
B 6 13 20 27 34 41 48
C 0 13 19 25 31 37 43
C 1 7 20 26 32 38 44
C 2 8 14 27 33 39 45
C 3 9 15 21 34 40 46
C 4 10 16 22 28 41 47
C 5 11 17 23 29 35 48
C 6 12 18 24 30 36 42
D 0 12 17 22 34 39 44
D 1 13 18 23 28 40 45
D 2 7 19 24 29 41 46
D 3 8 20 25 30 35 47
D 4 9 14 26 31 36 48
D 5 10 15 27 32 37 42
D 6 11 16 21 33 38 43
E 0 11 15 26 30 41 45
E 1 12 16 27 31 35 46
E 2 13 17 21 32 36 47
E 3 7 18 22 33 37 48
E 4 8 19 23 34 38 42
E 5 9 20 24 28 39 43
E 6 10 14 25 29 40 44
F 0 10 20 23 33 36 46
F 1 11 14 24 34 37 47
F 2 12 15 25 28 38 48
F 3 13 16 26 29 39 42
F 4 7 17 27 30 40 43
F 5 8 18 21 31 41 44
F 6 9 19 22 32 35 45
G 0 9 18 27 29 38 47
G 1 10 19 21 30 39 48
G 2 11 20 22 31 40 42
G 3 12 14 23 32 41 43
G 4 13 15 24 33 35 44
G 5 7 16 25 34 36 45
G 6 8 17 26 28 37 46
H 0 8 16 24 32 40 48
H 1 9 17 25 33 41 42
H 2 10 18 26 34 35 43
H 3 11 19 27 28 36 44
H 4 12 20 21 29 37 45
H 5 13 14 22 30 38 46
H 6 7 15 23 31 39 47

この表からカードを作れば、本家より2枚増量のオリジナルカードが出来ますよ(^_^)

ドブルの数理(6) 検証 に続きます。
http://amori.hatenablog.com/entry/2016/10/24/021450


その他のドブル関係の記事はこちら
amori.hatenablog.com

ドブルの数理(4) ドブル構成の導出 その2: 7×7人総当たり組み合わせ問題

いわゆる16人麻雀総当たり問題の拡張版で、7×7=49人の場合を考えます。

7人でやるゲームというのはパッとは思いつかないので、とりあえず7人1セットのポーカー大会を総勢49名で開催するものとでもお考えください。

一人のプレイヤーは1回で6人と対戦しますので、他の48人全員と対戦するのには8回戦が必要です。ちょうど8回戦で全プレイヤーが、全員と対戦する組み合わせを求める、というのがこの問題です。

以下、手順のみ説明します。理屈については後半で。

1) 49人を7の剰余系の二次元平面に配置します。
具体的には、49人に0から48の番号をふり、例えば0->(0,0), 1->(1,0)・・47->(5,6), 48->(6,6)というように番号と平面の位置と対応させます。
この場合は、番号m, 平面の位置(x,y)は、
x=m (mod 7), y=(m-x)/7
C言語なら、int x=m%7, int y=m/7 ですね。大事なのは平面に漏れなく配置されることでして、それさえ保障されるのならば対応関係はなんでもかまいません。

2) 組み分けの計算式を準備します。
ax+byという式に1)で割り当てた座標をx,yに代入し、その計算結果が組み分けの組番号になります。
例えば、2x+yが組み分け式ならば、(1,1)の組は3になります。

ひとつの式にそれぞれの平面座標を代入して得られる0から6の値がそのまま組み分けになります。異る計算式を8個用意すれば8回戦分の組み分けを求めることができます。
具体的には、
x, y, x+y, x+2y, x+3y, x+4y, x+5y, x+6y
の8個の式です。というかこれ以外の式はこの式と同じになります。

例えば、2x+1を4倍すると8x+4=x+4です。ax+byの式は全部8通りということです。

では、8回戦分の組み合わせを計算しましょう。

1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦
No 座標 y x x+y x+2y x+3y x+4y x+5y x+6y
0 0,0 0 0 0 0 0 0 0 0
1 1,0 0 1 1 1 1 1 1 1
2 2,0 0 2 2 2 2 2 2 2
3 3,0 0 3 3 3 3 3 3 3
4 4,0 0 4 4 4 4 4 4 4
5 5,0 0 5 5 5 5 5 5 5
6 6,0 0 6 6 6 6 6 6 6
7 0,1 1 0 1 2 3 4 5 6
8 1,1 1 1 2 3 4 5 6 0
9 2,1 1 2 3 4 5 6 0 1
10 3,1 1 3 4 5 6 0 1 2
11 4,1 1 4 5 6 0 1 2 3
12 5,1 1 5 6 0 1 2 3 4
13 6,1 1 6 0 1 2 3 4 5
14 0,2 2 0 2 4 6 1 3 5
15 1,2 2 1 3 5 0 2 4 6
16 2,2 2 2 4 6 1 3 5 0
17 3,2 2 3 5 0 2 4 6 1
18 4,2 2 4 6 1 3 5 0 2
19 5,2 2 5 0 2 4 6 1 3
20 6,2 2 6 1 3 5 0 2 4
21 0,3 3 0 3 6 2 5 1 4
22 1,3 3 1 4 0 3 6 2 5
23 2,3 3 2 5 1 4 0 3 6
24 3,3 3 3 6 2 5 1 4 0
25 4,3 3 4 0 3 6 2 5 1
26 5,3 3 5 1 4 0 3 6 2
27 6,3 3 6 2 5 1 4 0 3
28 0,4 4 0 4 1 5 2 6 3
29 1,4 4 1 5 2 6 3 0 4
30 2,4 4 2 6 3 0 4 1 5
31 3,4 4 3 0 4 1 5 2 6
32 4,4 4 4 1 5 2 6 3 0
33 5,4 4 5 2 6 3 0 4 1
34 6,4 4 6 3 0 4 1 5 2
35 0,5 5 0 5 3 1 6 4 2
36 1,5 5 1 6 4 2 0 5 3
37 2,5 5 2 0 5 3 1 6 4
38 3,5 5 3 1 6 4 2 0 5
39 4,5 5 4 2 0 5 3 1 6
40 5,5 5 5 3 1 6 4 2 0
41 6,5 5 6 4 2 0 5 3 1
42 0,6 6 0 6 5 4 3 2 1
43 1,6 6 1 0 6 5 4 3 2
44 2,6 6 2 1 0 6 5 4 3
45 3,6 6 3 2 1 0 6 5 4
46 4,6 6 4 3 2 1 0 6 5
47 5,6 6 5 4 3 2 1 0 6
48 6,6 6 6 5 4 3 2 1 0

各回戦ごとに、0から6の値が7づつ割り振られているのがわかります。
任意の2つNoは必ず何回戦かで一度だけ同じ組になり、他の回戦では必ず違う組になります。
なぜならば、同じ組になるということは振り分けの計算式、つまりこの式が表す同一直線上あるということなので、
もし異なる回戦で同じ組にあるとすると2つの点が異なる直線の上に同時に存在するということになってしまいます。

有限体の平面においても直線の性質は同じで、二点が決まればそれを通る直線は唯一に決まります。
これは、ax+by=cの直線の式が二組のx,yからa,b,cが定ることからわかります。
(先に述べたようにa=1としてokなので)

念のため各回戦の組み合わせで並べ替えてみましょう。
第1回戦

0組 0 1 2 3 4 5 6
1組 7 8 9 10 11 12 13
2組 14 15 16 17 18 19 20
3組 21 22 23 24 25 26 27
4組 28 29 30 31 32 33 34
5組 35 36 37 38 39 40 41
6組 42 43 44 45 46 47 48

第2回戦

0組 0 7 14 21 28 35 42
1組 1 8 15 22 29 36 43
2組 2 9 16 23 30 37 44
3組 3 10 17 24 31 38 45
4組 4 11 18 25 32 39 46
5組 5 12 19 26 33 40 47
6組 6 13 20 27 34 41 48

第3回戦

0組 0 13 19 25 31 37 43
1組 1 7 20 26 32 38 44
2組 2 8 14 27 33 39 45
3組 3 9 15 21 34 40 46
4組 4 10 16 22 28 41 47
5組 5 11 17 23 29 35 48
6組 6 12 18 24 30 36 42

第4回戦

0組 0 12 17 22 34 39 44
1組 1 13 18 23 28 40 45
2組 2 7 19 24 29 41 46
3組 3 8 20 25 30 35 47
4組 4 9 14 26 31 36 48
5組 5 10 15 27 32 37 42
6組 6 11 16 21 33 38 43

第5回戦

0組 0 11 15 26 30 41 45
1組 1 12 16 27 31 35 46
2組 2 13 17 21 32 36 47
3組 3 7 18 22 33 37 48
4組 4 8 19 23 34 38 42
5組 5 9 20 24 28 39 43
6組 6 10 14 25 29 40 44

第6回戦

0組 0 10 20 23 33 36 46
1組 1 11 14 24 34 37 47
2組 2 12 15 25 28 38 48
3組 3 13 16 26 29 39 42
4組 4 7 17 27 30 40 43
5組 5 8 18 21 31 41 44
6組 6 9 19 22 32 35 45

第7回戦

0組 0 9 18 27 29 38 47
1組 1 10 19 21 30 39 48
2組 2 11 20 22 31 40 42
3組 3 12 14 23 32 41 43
4組 4 13 15 24 33 35 44
5組 5 7 16 25 34 36 45
6組 6 8 17 26 28 37 46

第8回戦

0組 0 8 16 24 32 40 48
1組 1 9 17 25 33 41 42
2組 2 10 18 26 34 35 43
3組 3 11 19 27 28 36 44
4組 4 12 20 21 29 37 45
5組 5 13 14 22 30 38 46
6組 6 7 15 23 31 39 47

並べてみるとわかりますますように、2回戦で同一だった組の人を他の回戦ではバラバラの組にして回戦ごとに異なる周期でローテションすることで組み合わせが変わっていることがわかります。
組数が素数なので周期が一巡するまでは組み合わせが重複しないのは直感的にわかりますし、逆に組数が素数でなければ約数の単位で一巡するまでに重複が発生することも想像がつきます。

ドブルの数理(5) に続きます。
http://amori.hatenablog.com/entry/2016/10/23/182058

その他のドブル関係の記事はこちら
amori.hatenablog.com

ドブルの数理(3) ドブル構成8の実現 その1 位数7の有限体

では実際にドブル(dobble)のカードのシンボルの組み合わせを理論的に導出してみましょう。

手順はシンプルですが、それなりに長いのでステップごとに説明します。

その1: 位数7の有限体

既に説明したように、ドブル構成8は7×7人組み合わせ問題から導出され、この問題は位数7の有限体を利用するので、まずこれを準備します。

位数が奇数の場合は剰余演算の加算・乗算でそのまま有限体になるので簡単です。表にするまでもないかも知れませんがステップを明確にするために表にしましょう。

まず加算

+ 0 1 2 3 4 5 6
0 0 1 2 3 4 5 6
1 1 2 3 4 5 6 0
2 2 3 4 5 6 0 1
3 3 4 5 6 0 1 2
4 4 5 6 0 1 2 3
5 5 6 0 1 2 3 4
6 6 0 1 2 3 4 5

次、乗算

× 0 1 2 3 4 5 6
0 0 0 0 0 0 0 0
1 0 1 2 3 4 5 6
2 0 2 4 6 1 3 5
3 0 3 6 2 5 1 4
4 0 4 1 5 2 6 3
5 0 5 3 1 6 4 2
6 0 6 5 4 3 2 1

それぞれの行と列において0以外の演算についてユニークである、つまり乗算で逆元があり、割り算もできることがわかります。普通に当たり前(に感じられる)この条件、というか性質がこの問題を解くための肝です。

ドブルの数理(4) に続きます。
http://amori.hatenablog.com/entry/2016/10/23/174714

その他のドブル関係の記事はこちら
amori.hatenablog.com